1 00:00:00,000 --> 00:00:03,218 僕らは今、とあるおかしなカジノにいると考えよう。 2 00:00:03,218 --> 00:00:04,799 とてもおかしなゲームをしているカジノさ。 3 00:00:04,799 --> 00:00:07,455 君はテーブルに近づくと、その上には 4 00:00:07,455 --> 00:00:09,674 空の袋があるんだ。 5 00:00:09,674 --> 00:00:14,819 テーブルを取り仕切る奴はこう言う、「見て、ここにいくつかビー玉がある。 6 00:00:14,819 --> 00:00:19,400 3つの緑色のビー玉と、2つのオレンジ色のビー玉さ。 これを袋に突っ込む。」 7 00:00:19,400 --> 00:00:21,469 その言葉通り、彼はビー玉を空の袋に突っ込んだので 8 00:00:21,469 --> 00:00:30,442 中には3つの緑色のビー玉と2つのオレンジ色のビー玉があることが確実に分かる。 9 00:00:30,442 --> 00:00:35,123 そして彼は言う、 「君にプレイしてもらいたいゲームは、もし君が乗り気ならだけど、 10 00:00:35,123 --> 00:00:38,420 中を見ずに袋に手を入れてもらう。 11 00:00:38,420 --> 00:00:39,738 袋は透明でないし 12 00:00:39,738 --> 00:00:42,769 ビー玉の質感は全く同じだ。 13 00:00:42,769 --> 00:00:45,974 2つの緑色のビー玉を取り出せたら君の勝ち。 14 00:00:45,974 --> 00:00:50,084 まず1回目に取り出したビー玉が緑なら、 それをテーブルの上に置く。 15 00:00:50,084 --> 00:00:52,523 そしてもう一度袋に手を入れ 16 00:00:52,523 --> 00:00:55,405 もう1つビー玉を取り出す。それもまた緑色なら 17 00:00:55,405 --> 00:00:58,769 君は賞金を受け取る。 18 00:00:58,769 --> 00:01:06,890 2つの緑のビー玉を取り出せば 1ドルの賞金だ。」 19 00:01:06,890 --> 00:01:08,305 それで君は答える。 20 00:01:08,305 --> 00:01:10,388 「面白そうなゲームだね。 賭け金はいくら?」 21 00:01:10,388 --> 00:01:15,269 そいつは 35セントだと答える。 22 00:01:15,269 --> 00:01:18,387 言うまでもなく、かなり賭け金の低いカジノだ。 23 00:01:18,387 --> 00:01:23,071 さてここで問題だ、 君はこのゲームをプレイしたいと思うかい? 24 00:01:23,071 --> 00:01:25,286 ただし、面白さについては考慮しないことにしよう。 25 00:01:25,286 --> 00:01:32,350 お金の損得だけを考えた時、 このゲームをプレイするのは理にかなうだろうか? 26 00:01:32,350 --> 00:01:35,368 さて、確率についてしばし考えよう。 27 00:01:35,368 --> 00:01:41,219 まず最初に、1番目に取り出したビー玉が緑色である確率はどのくらいだろう? 28 00:01:41,219 --> 00:01:47,938 1番目のビー玉が緑色である確率は? 29 00:01:47,938 --> 00:01:50,142 おっと、「最初が緑」と略させてもらうよ。 30 00:01:50,142 --> 00:01:54,410 「最初が緑の確率」と。 31 00:01:54,410 --> 00:01:57,151 起こりうる全ての場合の数は、 32 00:01:57,151 --> 00:01:59,188 同様に確からしい5つのビー玉があるから、 33 00:01:59,188 --> 00:02:01,304 全部で5通りある。 34 00:02:01,304 --> 00:02:04,522 そのうち「最初は緑」となる事象は3つだから 35 00:02:04,522 --> 00:02:08,602 最初が緑になる確率は 3/5 だ。 36 00:02:08,602 --> 00:02:10,437 だから君には 3/5 の見込みがあるわけだ。 37 00:02:10,437 --> 00:02:12,460 3/5 の確率、だけど気を付けるべきは 38 00:02:12,460 --> 00:02:15,891 1つ取り出した後もゲームはまだ続いてるってことだ。 39 00:02:15,891 --> 00:02:20,810 今、本当に関心があるのは、ゲームに勝つ確率だ。 40 00:02:20,810 --> 00:02:24,695 1つ目が緑で、さらに2つ目も緑になってほしいのさ。 41 00:02:24,695 --> 00:02:27,606 これについて少し考えよう。 最初が緑になる 42 00:02:27,606 --> 00:02:32,111 確率はどのくらいだろう? 43 00:02:32,111 --> 00:02:32,960 「g」と略して書くことにしよう。 44 00:02:32,960 --> 00:02:38,204 次に2番目が緑になる確率は? 45 00:02:38,204 --> 00:02:41,261 もしかすると、君はこう言いたくなるかもしれない。 46 00:02:41,261 --> 00:02:43,565 「ああきっと、2番目が緑の確率も同じように 3/5 で、 47 00:02:43,565 --> 00:02:47,608 単に 3/5 と 3/5 を掛ければ良いんだよ。 48 00:02:47,608 --> 00:02:49,362 だから 9/25 が答えさ。 49 00:02:49,362 --> 00:02:52,245 簡単なことじゃないか。」 50 00:02:52,245 --> 00:02:56,177 でも、1番目の緑のビー玉の扱いを思い出してほしい。 51 00:02:56,177 --> 00:03:00,037 1番目の緑のビー玉を取り出して、それを見た後、君はそれを袋に戻さない。 52 00:03:00,037 --> 00:03:05,560 だから2回目に取り出す時、袋の中の緑のビー玉の数は 53 00:03:05,560 --> 00:03:07,365 1回目の取り出しによって変わっているんだ。 54 00:03:07,365 --> 00:03:09,044 ビー玉を取り出した時、 55 00:03:09,044 --> 00:03:11,428 それが緑色であろうと、そうでなかろうと、 56 00:03:11,428 --> 00:03:14,175 1回目に取り出したものはテーブルの上に置いておくことに注意しよう。 57 00:03:14,175 --> 00:03:17,413 ビー玉はもとの袋に戻らないから、取り出した分は減ってしまう。 58 00:03:17,413 --> 00:03:20,175 だから1回目と2回目の事象は独立でない。 59 00:03:20,175 --> 00:03:24,556 「独立でない」という言葉の意味を明確にしよう。 60 00:03:24,556 --> 00:03:30,021 言い換えるなら、2回目の取り出しは1回目に依存する。 61 00:03:30,021 --> 00:03:36,890 「1回目に依存」と。 62 00:03:36,890 --> 00:03:41,679 1回目に緑が出た時、バッグの中のビー玉は5つ、うち3つが緑色、というわけではなく 63 00:03:41,679 --> 00:03:47,944 1回目が緑なら、残りのビー玉は4つ、うち緑色なのは2つだ。 64 00:03:47,944 --> 00:03:51,597 これによって、2つの事象が起こる確率が分かる。 65 00:03:51,597 --> 00:03:58,721 そう、最初が緑の確率は常に一定だ。 66 00:03:58,721 --> 00:04:07,185 掛ける、ここが今回の新しい考え方だけど、2回目が緑の確率を求めるには 67 00:04:07,185 --> 00:04:10,057 ある条件を考慮する必要がある。この小さい垂直な線は、 68 00:04:10,057 --> 00:04:12,889 ある条件を満たした上での確率であることを示す。 69 00:04:12,889 --> 00:04:16,425 ここで、条件があることを示すんだよ。 70 00:04:16,425 --> 00:04:19,113 次に条件を書く。ここでは「最初が緑」が条件だ。 71 00:04:19,113 --> 00:04:25,713 最初が緑だったと仮定して、2回目が緑になる確率はいくつだろう? 72 00:04:25,713 --> 00:04:28,177 さて、ここに筋書きを描こう。 73 00:04:28,177 --> 00:04:33,262 1回目のビー玉が緑なら、残りの起こりうる事象は4通りある。 74 00:04:33,262 --> 00:04:34,642 5通りではないよ。 75 00:04:34,642 --> 00:04:39,180 そのうち基準を満たすのは2通りだ。 76 00:04:39,180 --> 00:04:41,507 基準を満たすのは2通りだよ。 77 00:04:41,507 --> 00:04:46,255 だから1回目のビー玉が緑で、さらに2回目のビー玉も緑になる確率は 78 00:04:46,255 --> 00:04:48,400 まず最初が緑になる確率、 79 00:04:48,400 --> 00:04:50,303 つまり 3/5 だね。 80 00:04:50,303 --> 00:04:54,283 掛ける、1回目が緑と仮定した時の、2回目が緑となる確率。 81 00:04:54,283 --> 00:04:58,467 今 袋の中のビー玉は1つ減っていて、1回目が緑だと仮定しているから 82 00:04:58,467 --> 00:05:01,887 残りの緑のビー玉は2つだけだ。 83 00:05:01,887 --> 00:05:05,171 この式によると、最終的な確率はいくつだろう? 84 00:05:05,171 --> 00:05:07,137 ええと、3/5 掛ける 2/4 で、 85 00:05:07,137 --> 00:05:09,340 2/4 は 1/2 と等しいから 86 00:05:09,340 --> 00:05:14,202 3/5 掛ける 1/2 となって 87 00:05:14,202 --> 00:05:16,051 イコール 3/10 だ。 88 00:05:16,051 --> 00:05:20,941 0.30 とも書けるし、 89 00:05:20,941 --> 00:05:25,287 袋に戻すことなく2つの緑のビー玉を取り出すのに 90 00:05:25,287 --> 00:05:29,438 30%の見込みがあるとも言える。 91 00:05:29,438 --> 00:05:31,966 さて、これをもとに、もう一度問題を考えてみよう。 92 00:05:31,966 --> 00:05:35,054 このゲームをプレイしたいと思うかい? 93 00:05:35,054 --> 00:05:38,634 さて、このゲームをとてもとてもたくさんプレイした時、 94 00:05:38,634 --> 00:05:43,871 平均すると30%の確率で 95 00:05:43,871 --> 00:05:47,467 賞金の1ドルを得る。 96 00:05:47,467 --> 00:05:49,021 まだ終わりじゃないよ。 97 00:05:49,021 --> 00:05:52,052 賞金の期待値を計算すると、 98 00:05:52,052 --> 00:05:55,690 30% 掛ける 1ドル、 99 00:05:55,690 --> 00:05:56,754 あくまで目安だけど、 100 00:05:56,754 --> 00:06:01,462 30セントになる。 101 00:06:01,462 --> 00:06:03,021 30%の確率で1ドルを得るから、 102 00:06:03,021 --> 00:06:04,655 ゲームをとてもとてもたくさんプレイした時に 103 00:06:04,655 --> 00:06:06,152 期待できる賞金は 104 00:06:06,152 --> 00:06:11,002 1ゲームあたり平均30セントだ。 105 00:06:11,002 --> 00:06:13,054 さて、君は平均30セントを得るために 106 00:06:13,054 --> 00:06:17,660 35セントを支払いたいと思うかい? 107 00:06:17,660 --> 00:06:21,020 嫌だね。そんなことはしたくない。 108 00:06:21,020 --> 00:06:23,635 ここでもう一つ考えてほしいことがある。 109 00:06:23,635 --> 00:06:24,919 もし最初に緑のビー玉を 110 00:06:24,919 --> 00:06:29,292 取り出した後、それを袋に戻せるなら 111 00:06:29,292 --> 00:06:31,493 そのゲームをプレイしたいと思うかな? 112 00:06:31,493 --> 00:06:36,823 この条件でプレイしたいか、考えてみよう。