驚くべき遺伝子工学の時代
-
0:01 - 0:04ロイ・アマラの話から始めましょう
-
0:04 - 0:09彼の説によると
新技術が及ぼす影響は -
0:09 - 0:11多くの場合
当初は過大評価されがちですが -
0:11 - 0:13長い目で見ると
使い慣れるために -
0:13 - 0:14過小評価されるというものです
-
0:14 - 0:17まさに「奇跡と驚異の時代」です
-
0:17 - 0:20ポール・サイモンの素晴らしい歌を
覚えていますか? -
0:20 - 0:22その中に この歌詞がありました
-
0:22 - 0:25当時 奇跡だと思われていたものは
何だったのでしょう? -
0:26 - 0:28スピードを落とす
「 スロー・モーション」 -
0:29 - 0:31それと長距離電話
-
0:32 - 0:35もちろん 交換手が
こう遮ったものです -
0:35 - 0:38「これは長距離電話になりますが
お切りになりますか?」 -
0:38 - 0:41今なら 世界中 どこに電話を掛けても
気にしません -
0:41 - 0:44同様なことが 生命を解読し
-
0:44 - 0:46プログラムすることに
起きています -
0:47 - 0:48詳しく説明する前に
-
0:49 - 0:52望遠鏡について少しお話ししましょう
-
0:53 - 0:57当初 望遠鏡がもたらす影響は
過大視されていました -
0:57 - 0:59これはガリレオによる
初期モデルの1つですが -
1:00 - 1:03宗教を完全に破滅させてしまうと
人々は考えました -
1:03 - 1:05(笑)
-
1:07 - 1:10今では 望遠鏡について
そんな心配はしませんが -
1:11 - 1:15先ほどのトークで説明があった
10年前に打ち上げられた宇宙望遠鏡は -
1:15 - 1:18もしフォルクスワーゲンを
月まで運んだら -
1:18 - 1:24月面で照らした車のライトを
見わける能力があります -
1:25 - 1:28その解像度といえば
遠く離れた恒星の周りを漂う― -
1:29 - 1:32塵のような小さな点(惑星)を
見ることすら可能です -
1:32 - 1:36ちょっと想像してみて下さい
何十光年も離れたところに恒星があって -
1:36 - 1:39塵のような小さな点が
近づいているとします -
1:40 - 1:42系外惑星を見つけるというのは
こういうことなんです -
1:43 - 1:47何と これから打ち上げられる
宇宙望遠鏡は -
1:48 - 1:51月に立てた1本のロウソクすら
見分けられます -
1:52 - 1:55しかも 板1枚で隔てさえすれば
-
1:55 - 1:58こんな遠くからでも
2本のろうそくを区別できます -
1:59 - 2:02それくらいの解像度が
-
2:02 - 2:04恒星の周りを回る
塵のような小さな点の -
2:04 - 2:06画像を捉え
-
2:06 - 2:08特徴的な青緑色の有無を
調べるには必要です -
2:09 - 2:11特徴的な青緑色があれば
-
2:11 - 2:13生命は宇宙に普遍的に
存在していることになります -
2:13 - 2:18もし 特徴的な青緑色を遠方にある
惑星に1つ発見したならば -
2:18 - 2:20そこで光合成が行われており
-
2:20 - 2:21水が存在することを示す上に
-
2:21 - 2:25そこが地球外で光合成が行われている
唯一の惑星である可能性は -
2:25 - 2:26ほぼゼロということを意味します
-
2:27 - 2:29これは歴史を塗り替える出来事です
-
2:30 - 2:32「宇宙には我々しかいないのか」
という問題の転換点です -
2:32 - 2:35新大陸の発見など
比べものになりません -
2:37 - 2:38こんな思考をしている最中にも
-
2:38 - 2:41人類は今や 宇宙の大部分の画像を
撮影し始めています -
2:41 - 2:44これが「奇跡と驚異の時代」です
-
2:44 - 2:46それを当たり前のように
思っています -
2:48 - 2:49生命にも
同じようなことが起きています -
2:50 - 2:53生命に関する 様々な技術を
耳にします -
2:53 - 2:55CRISPRをはじめ
あんな技術や -
2:55 - 2:57こんな技術
-
2:57 - 3:00でも結局のところ
生命はプログラムなのです -
3:02 - 3:06生命をプログラムと捉えることは
本当に重要な考え方で -
3:06 - 3:09英語やフランス語や中国語で
文を書くのと まったく同じことが -
3:09 - 3:12英語やフランス語や中国語で
文を書くのと まったく同じことが -
3:13 - 3:16文をコピーするのと
まったく同じことが -
3:16 - 3:19そして文を編集したり
-
3:19 - 3:21印刷するのと まったく同じことが
-
3:21 - 3:24生命に対しても
可能になってきたことを意味します -
3:25 - 3:29生命という言語の読み方が
分かりつつあるということです -
3:29 - 3:32もちろん このオレンジだって
そんな言語を用いています -
3:33 - 3:34ではプログラムを
どう実行しているのか? -
3:35 - 3:37コンピュータのように
0と1では書かれてはいません -
3:37 - 3:39木にオレンジがなり
そして ある日 -
3:39 - 3:40落っこちます
-
3:41 - 3:43これがプログラムの実行です
-
3:43 - 3:46AATCAAG 「根を生やせ」
-
3:47 - 3:50TCGACC「小さな幹を作れ」
-
3:50 - 3:53GAC「葉をつけろ」
AGC「花を咲かせろ」 -
3:53 - 3:56そして
GCAA「もっと実をならせろ」 -
3:57 - 4:01ワープロで英文を編集すれば
-
4:03 - 4:07単語を別の単語に
変えることができます -
4:08 - 4:10オレンジに編集を施し
-
4:10 - 4:15CRISPRか 何か別の技術で
GCAACを挿入したら -
4:16 - 4:18オレンジがレモンになったり
-
4:19 - 4:21グレープフルーツになったり
-
4:21 - 4:22ミカンになったりします
-
4:23 - 4:25千文字からなる
文字列の1文字を編集すると -
4:25 - 4:28あなたは
今 隣に座っている人に変身します -
4:29 - 4:30座る場所にはもっと気を付けて下さい
-
4:31 - 4:31(笑)
-
4:33 - 4:36このような編集は
当初はとても費用がかかりました -
4:37 - 4:38長距離電話が
そうだったように -
4:39 - 4:43しかし 費用はムーアの法則よりも
50%速く低下しています -
4:44 - 4:48昨日 Veritas社は200ドルで(ヒトの)
全ゲノム解析を提供すると発表しました -
4:48 - 4:51だから このような
技術の進歩を見ていると -
4:51 - 4:54問題ない 問題ない と思っていたものが
重要になってくるのです -
4:54 - 4:58ゲノムの全体図をお見せしましょう
-
4:59 - 5:02これは偉大な発見です
-
5:02 - 5:03ここには23対の染色体があります
-
5:04 - 5:05見事です
-
5:05 - 5:09次に望遠鏡モードで見てみましょう
といっても 望遠鏡ではなく -
5:09 - 5:11顕微鏡で覗きます
-
5:11 - 5:13この染色体対の短い方
-
5:13 - 5:15これがY染色体です
-
5:16 - 5:19X染色体の1/3の大きさで
劣性で 突然変異を起こしやすいのです -
5:20 - 5:22でも ―
-
5:22 - 5:23男性固有のものです
-
5:25 - 5:27この染色体を見ていきましょう
-
5:27 - 5:31これは国全体の地図のようなもので
-
5:31 - 5:33400塩基対が見られる
解像度のレベルから -
5:33 - 5:36500塩基対 850塩基対レベルに
上げていくと -
5:36 - 5:40より多くの遺伝子が
特定できるようになります -
5:40 - 5:43州のスケールまで拡大すると
-
5:43 - 5:46白血病の原因遺伝子の保有者が
分かります -
5:48 - 5:51白血病にかかった原因や
どういう型の白血病なのか -
5:51 - 5:53どの遺伝子が どこからどこへ
移動したかもわかります -
5:53 - 5:56グーグル・ストリートビューの
スケールに拡大し -
5:57 - 6:00大腸がんを患う特定の患者を
-
6:00 - 6:04塩基対単位で見れば
このようになります -
6:06 - 6:09遺伝子を使って 何を行っているかというと
情報を集め -
6:09 - 6:12膨大な量の情報を
作り出しているにすぎません -
6:12 - 6:15これは地球上 最大級の
データベースの1つであり -
6:15 - 6:19保存するコンピュータの製造が
追いつかないほど急速に巨大化しています -
6:20 - 6:23遺伝子の見事な地図を
作ることが可能です -
6:23 - 6:26ペストについて知りたいとして
あるものが腺ペスト -
6:26 - 6:29あるものは別のペスト
-
6:29 - 6:31また あるものは
別のものになる理由は? -
6:31 - 6:33これはペスト菌のゲノム地図です
-
6:33 - 6:35人間にとって致死的なものもあれば
-
6:35 - 6:36そうでないのもあります
-
6:36 - 6:39さて 一番下のものに注目してください
-
6:39 - 6:41結核菌と比べるとどうでしょう?
-
6:42 - 6:45これが結核菌と
様々なペスト菌との違いなのです -
6:45 - 6:48また この地図で
探偵のように調査できます -
6:48 - 6:50ハイチを襲ったコレラの
特定の遺伝子情報を調べ -
6:50 - 6:51ハイチを襲ったコレラの
特定の遺伝子情報を調べ -
6:52 - 6:55それがどの国から持ち込まれたか
-
6:55 - 6:57どの地方から来たか
-
6:57 - 7:02さらには アフリカからハイチへ持ち込んだ
兵士さえおそらく特定できるでしょう -
7:05 - 7:07ズームアウトしましょう
-
7:07 - 7:08ズームインだけではないんです
-
7:09 - 7:12これは人類が作成した
最も素晴らしい地図の1つです -
7:12 - 7:16これは全ての種の全遺伝子情報を
-
7:16 - 7:17集めたもので
-
7:17 - 7:20単一のページに
生命の系統図が書き込まれていて -
7:20 - 7:22拡大・縮小して見ることができます
-
7:22 - 7:26生命の究極の祖先
多様化、分岐の様子 -
7:26 - 7:27ゲノムの大きさが
-
7:27 - 7:291ページにまとまっています
-
7:30 - 7:32地球上の生命の
全世界のようなものであり -
7:32 - 7:34しかも 常に更新され
完全になりつつあります -
7:35 - 7:37しかも このページを見ると
-
7:37 - 7:40重大な変化が見てとれます
かつて生物学は「受け身」でした -
7:40 - 7:43多くの生物学者は
顕微鏡を用いたり -
7:43 - 7:46拡大鏡を使ったり
屋外に出て動物を観察していました -
7:47 - 7:49新しい生物学は「積極的」です
-
7:49 - 7:52モノを観察するだけでなく
作り出します -
7:53 - 7:55これは実に大きな変化です
-
7:55 - 7:58だってこのようなことが
出来てしまうのですから -
7:59 - 8:01この写真を見て
皆さんも興奮するでしょう -
8:01 - 8:02(笑)
-
8:02 - 8:05この画像を撮るのにかかったのは
[10]年の歳月と -
8:05 - 8:064千万ドルだけです
-
8:06 - 8:07(笑)
-
8:07 - 8:09何をしたかというと
-
8:10 - 8:13まず 細胞から全遺伝暗号を
取り除きました -
8:13 - 8:17遺伝子1つや2つではなく
細胞の全遺伝暗号です -
8:18 - 8:20全く新しい遺伝暗号を合成し
-
8:21 - 8:22その細胞に注入し
-
8:22 - 8:25細胞にこれを実行させる
方法を見つけ出し -
8:25 - 8:28全く新しい種を作り出したのでした
-
8:29 - 8:31この世で初めての
合成生物なのです -
8:34 - 8:36これをどうするのかって?
-
8:36 - 8:39これは世界を変貌させます
-
8:39 - 8:41世界をどう変えるかについて
-
8:41 - 8:44短期的な観点から3つ挙げてみます
-
8:44 - 8:471つ目は新たな産業革命を
目撃することになります -
8:48 - 8:49これは文字通りの意味で
-
8:50 - 8:54スイス、ドイツ、イギリスが
機械を使って — -
8:55 - 8:58ここのロビーにあるような機械で ―
世界を変革し -
9:00 - 9:01エネルギーを作り出しました
-
9:01 - 9:04CERNが
新しい装置によって世の中を変え -
9:04 - 9:07我々の宇宙観を変えたように
-
9:08 - 9:11プログラム可能な生命体も
この世を変えていきます -
9:12 - 9:13コンピュータと同じように
-
9:13 - 9:16細胞をプログラムできるようになれば
-
9:18 - 9:19ほぼ何でも作れるからです
-
9:20 - 9:23コンピュータは
写真を生成し -
9:23 - 9:25音楽、映像を作り
-
9:25 - 9:28ラブレターを書き
表計算シートを生成します -
9:28 - 9:30そこには0と1が
飛び交っているだけです -
9:31 - 9:33細胞にATCGを送り込むことが可能なら
-
9:34 - 9:37ソフトウェアは
自らのハードウェアを作り出し ― -
9:37 - 9:39つまり あっという間に
増殖していきます -
9:40 - 9:42どんな奇跡が起ころうとも
-
9:42 - 9:44ベッド脇に携帯電話を放置しても
-
9:44 - 9:47朝になって 10億個に
増えることはありませんが -
9:47 - 9:52生物の場合
-
9:53 - 9:56増殖が大規模に起こります
-
9:57 - 10:00ほぼ炭素中立な燃料を
-
10:00 - 10:03商業規模で
-
10:03 - 10:052025年までに生産することも
実現可能です -
10:06 - 10:08エクソン・モービルとの共同事業です
-
10:09 - 10:11農地に転用することも可能です
-
10:11 - 10:16石油やタンパク質を作るために
100ヘクタールの土地を準備しなくても -
10:16 - 10:18こういう水槽で同じものを
-
10:18 - 10:211ヘクタール当たり
10倍から100倍 生産できます -
10:21 - 10:25情報の保存や
全世界が必要とするワクチンの製造だって -
10:25 - 10:26水槽が3つあれば出来ます
-
10:27 - 10:31CERNが保有するほぼ全情報も
この3つの水槽に保存できるんです -
10:32 - 10:36DNAは実にすばらしい
情報記憶装置なのです -
10:37 - 10:382つ目です
-
10:38 - 10:41理論生物学が流行り始めています
-
10:42 - 10:46医学部というものは
この世で最も保守的な存在の1つです -
10:46 - 10:50解剖学の教育方法は
100年前の方法と -
10:50 - 10:51あまり変わりません
-
10:51 - 10:53「学生諸君 これが解剖用の死体だ」
-
10:54 - 10:58医学部が苦手なことの1つは
新しい学部を創設することなので -
10:58 - 11:00とても珍しいことですが
-
11:00 - 11:07アイザック・コウヘインはハーバード医学校に
情報科学、データ、知識に基づく ― -
11:07 - 11:08学部を創設しました
-
11:09 - 11:12ある意味
今 起ころうとしているのは -
11:12 - 11:14生物学が十分な量の
データを手に入れつつあり -
11:14 - 11:17物理学と同じ道のりを
辿り始めているということです -
11:17 - 11:20物理学は 観測的な物理学や
-
11:20 - 11:22実験物理学から始まったのでした
-
11:22 - 11:24同様に理論生物学が
創成されたということです -
11:24 - 11:27我々がこれから目にしていく学問です
-
11:27 - 11:29なぜなら
多くの医学的データが得られ -
11:29 - 11:31人間に関するデータが
集まったからです -
11:31 - 11:33ゲノム
ウィルス叢のゲノム -
11:33 - 11:35ヒト微生物叢のゲノムを得て
-
11:35 - 11:37このような情報が蓄積していくと
-
11:37 - 11:39予測を始められます
-
11:40 - 11:433つ目は
消費者に対する影響です -
11:45 - 11:49個人の遺伝子の解読も可能となり
-
11:50 - 11:5223andMeのような会社が
創立されるようになりました -
11:52 - 11:55このような会社は 皆さんに
とても多くの -
11:55 - 11:56データを提供します
-
11:56 - 11:58あなたの親戚に限らず
-
11:59 - 12:00あなたの体に関するデータです
-
12:00 - 12:01そしてゲノムを比較し
-
12:02 - 12:04時代的な変化を分析し
-
12:04 - 12:06巨大なデータベースを
構築していきます -
12:06 - 12:09それどころか 他のビジネスにも
思いもよらぬ影響を -
12:09 - 12:11次々と及ぼしていきます
-
12:12 - 12:16ふつう 広告を出す時には
消費者に 広告をトイレに持ち込み -
12:16 - 12:20尿を掛けてもらおうなんて
考えないでしょう -
12:22 - 12:24そんなことを考えるのは
IKEAだけです -
12:25 - 12:28雑誌から広告を破って
それに尿を掛けると -
12:28 - 12:30妊娠していたら 青く染まるんです
-
12:30 - 12:32(笑)
-
12:32 - 12:36すると ベビーベッドが
割引になります -
12:36 - 12:37(笑)
-
12:37 - 12:39私が「消費者エンパワメント」について
-
12:39 - 12:42バイオテクノロジーを超えて
広がっていると言う場合は -
12:42 - 12:44本気でそう思っています
-
12:46 - 12:50Synthetic Genomics社では
-
12:51 - 12:52卓上プリンターの製造を始めました
-
12:53 - 12:57これは 細胞を設計し
-
12:57 - 12:58印刷し
-
12:58 - 13:00細胞に書かれたプログラムの
実行を可能にします -
13:01 - 13:03今や ワクチンを
-
13:03 - 13:05離陸した飛行機が着陸する前に
リアルタイムで -
13:05 - 13:06印刷できます
-
13:08 - 13:11この機械が今年
78台出荷される予定です -
13:12 - 13:17これは理論生物学ではなく
印刷生物学です -
13:18 - 13:20長期的な展望も
2つお話ししましょう -
13:21 - 13:25長い目で見れば
皆さんにも影響があります -
13:26 - 13:281つ目は
種の再設計です -
13:29 - 13:31お聞きになったこと ありますね?
-
13:31 - 13:34木を再設計し
花を再設計する -
13:34 - 13:36ヨーグルトであれ
-
13:37 - 13:39チーズであれ 何でも
再設計しようとしています -
13:40 - 13:42もちろん 興味深い疑問が
湧いてきます -
13:43 - 13:45人間の再設計は
いつどのように行われるのか? -
13:48 - 13:51多くの人は思います
「冗談じゃない 人間の再設計は絶対御免だ」 -
13:52 - 13:55もちろん 自分の子供が
ハンチントン病の遺伝子を保有し -
13:55 - 13:56死ぬ運命にあるなら話は別です
-
13:57 - 14:01嚢胞性繊維症の遺伝子を
子孫に伝えたくない場合もあります -
14:01 - 14:03その場合 あなた自身を
再設計するだけでなく -
14:03 - 14:06自分の子供や孫も
再設計したいと願うことでしょう -
14:07 - 14:10これは込み入った議論ですが
実際に起きています -
14:11 - 14:13実例を紹介しましょう
-
14:14 - 14:17全米アカデミーズで
今 議論されているのは -
14:18 - 14:23遺伝子ドライブを導入して
マラリアを媒介する蚊を -
14:23 - 14:26全滅させる能力を
我々が持つことについてです -
14:28 - 14:30こう主張する人がいます
-
14:31 - 14:34「環境を極端に変えてしまう
だからやってはいけない」 -
14:35 - 14:36別の意見もあります
-
14:37 - 14:40「マラリアは毎年 何百万もの命を
奪っている問題の1つだ -
14:40 - 14:43自分の国の子供たちを救いたいのに
何ということを言うんだ」 -
14:45 - 14:47なぜ 複雑な議論になるのでしょう?
-
14:47 - 14:50もし 改変した蚊を
ブラジルであれ フロリダ州南部であれ -
14:50 - 14:51ひとたび解き放ったら —
-
14:51 - 14:53蚊は壁なんて構いはしません
-
14:53 - 14:55遺伝子ドライブを施した蚊を
解き放つことは -
14:55 - 14:58世界に影響を与える
決断をすることになります -
15:02 - 15:05ノーベル賞を受賞した
この偉大な方(J.ショスタク)が -
15:05 - 15:07受賞後に
-
15:07 - 15:08関心を抱いてきたことがあります
-
15:10 - 15:12この地球上で
生命がどう始まったのか -
15:12 - 15:14他の惑星で生命が生まれる
可能性がどの程度か です -
15:15 - 15:18そこで 彼は修士課程の学生に
-
15:18 - 15:20こう言っています
-
15:21 - 15:24「生命を作ってくれ
でも現代的な化学薬品や装置は使うな -
15:24 - 15:27この地球上に30億年前に存在した
生命を再現してくれ -
15:27 - 15:30レーザーも
あれも これも使ってはいけない」 -
15:32 - 15:36彼は3週間前に作ったものを
ガラス瓶に入れて渡してくれました -
15:37 - 15:38何を作ったのでしょうか?
-
15:38 - 15:42脂質から作られた
石鹸の泡のようなものです -
15:42 - 15:44RNAの前駆体を作成したのです
-
15:45 - 15:49RNAの前駆体を細胞に吸収させて
-
15:50 - 15:52細胞分裂を起こしました
-
15:54 - 15:56生命になる前の有機物群を元に
-
15:58 - 16:01一から生命を作るということが
-
16:01 - 16:0310年後 20年後といった
-
16:04 - 16:06近い将来に実現するかもしれません
-
16:08 - 16:092つ目の長期的な見通しです
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16:10 - 16:14我々は これまでデジタルの時代に
生きてきましたが 今後も続きます -
16:14 - 16:16ゲノムの時代が始まり
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16:16 - 16:20生物学、CRISPRと合成生物学
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16:21 - 16:24そういったものが全て一緒になって
脳の時代が始まります -
16:25 - 16:29まるで骨折や火傷の後に
組織が再生するように -
16:29 - 16:32体のほとんどの部分を再生できる
そんな時代に近づいています -
16:32 - 16:35気管や膀胱を再生する方法が
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16:35 - 16:37分かってきており
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16:37 - 16:39どちらも人間に移植されました
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16:39 - 16:42アンソニー・アタラは
32種類の臓器を培養しています -
16:43 - 16:45ただ 中核になるのは「脳」でしょう
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16:45 - 16:48脳が あなた自身であり
あとはパーツにすぎません -
16:50 - 16:54脳を補修できない限り
120歳、130歳、140歳を超えて -
16:54 - 16:55生きることは不可能でしょう
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16:56 - 16:58これは最も興味深い挑戦で
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16:58 - 17:00次なるフロンティアなのです
他にも -
17:00 - 17:03「宇宙で生命は
どの程度ありふれているのか?」 -
17:03 - 17:04「我々はどこから来たのか?」
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17:05 - 17:06といった疑問があります
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17:08 - 17:11最後に出典が定かではない
アインシュタインの言葉を紹介します -
17:12 - 17:14[すべてを奇跡と捉える生き方も
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17:14 - 17:16奇跡などないと捉える生き方もある]
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17:16 - 17:18あなたの考え方次第です
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17:19 - 17:21悪い面や恐ろしい面だけに
注目することは可能ですし -
17:21 - 17:23世の中は 確かに
恐ろしいことに満ち溢れています -
17:24 - 17:29しかし そういうことを考えるのは
脳の1割か2割か -
17:29 - 17:313割くらいにしておいてください
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17:31 - 17:33だって 考えてください
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17:33 - 17:36我々は奇跡と驚異の時代に
生きているのです -
17:36 - 17:40今という時代に生き
このような技術を見られるのも -
17:40 - 17:43この場所にある あらゆるものを
作っている人たちと -
17:43 - 17:45直接語り合えるのも
幸運なことですから -
17:45 - 17:48すばらしいことを成し遂げてくれた
皆さん ありがとう -
17:49 - 17:53(拍手)
- Title:
- 驚くべき遺伝子工学の時代
- Speaker:
- フアン・エンリケス
- Description:
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CRISPRといった遺伝子編集技術は、生命を最も基本的なレベルでプログラムすることを可能にします。しかし、これにより喫緊の課題が生じています。新たな種を一から作り出すことが可能なら、何を作るべきなのか?いま存在している人類を再設計すべきなのか?フアン・エンリケスはこの新たなフロンティアの、とてつもない不確実性と可能性を探りながら、遺伝子操作によって起こり得る未来を予測します。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 18:05
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