シリアの将来を決めるたった一つの事 | マズーン・ラカン・アルメレハン | TEDxTeen
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0:14 - 0:17難民は普通の人たちです
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0:17 - 0:20みなさんと同じような
私と同じような人なのです -
0:21 - 0:25私も難民になるとは
夢にも思っていませんでした -
0:26 - 0:32シリアで戦争が始まると
全てがひっくり返りました -
0:33 - 0:35希望もありませんでした
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0:35 - 0:37未来もありませんでした
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0:39 - 0:43子供たちが学校に
ちゃんと通えなくなり -
0:44 - 0:50必要最低限のものも得られなくなり
教師だった父は仕事にも行けなくなりました -
0:51 - 0:58そこで 家からヨルダンに避難して
難民キャンプで暮らすことを父は決断しました -
0:58 - 1:00他に選択肢はありませんでした
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1:01 - 1:04本当に悲しい気持ちでした
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1:04 - 1:07ずっと泣いていました
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1:07 - 1:12全てのものを残して
家を離れるのはいやでした -
1:12 - 1:17友達 親戚 生まれた国や
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1:18 - 1:20特に学校から離れるのは
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1:21 - 1:26私は難民キャンプのような場所では
勉強を続けられないと思いました -
1:27 - 1:32そして 父はこう言いました
「重い荷物は置いてゆきなさい -
1:32 - 1:38一番重要で必要なものだけを
持ち出しなさい」 -
1:39 - 1:41しかし 私は聞く耳をもたず
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1:42 - 1:45使っていた教科書を選びました
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1:45 - 1:50私が持ち出したものは他にはありません
教科書だけでした -
1:52 - 1:54ヨルダンへ行くには
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1:54 - 1:59ヨルダン国境まで3時間かけて
歩かなければなりません -
2:00 - 2:01その途中で父は私が
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2:01 - 2:04かばんを運ぶのに
四苦八苦してるのに気づきました -
2:04 - 2:10父は「持ってあげよう 大変そうだ」と
言いました -
2:10 - 2:15父にかばんを渡すとこう言いました
「とても重いね 何が入っているの」 -
2:16 - 2:18「教科書を持ってきた」と私は答えました
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2:19 - 2:21「気は確かか」と父が一言
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2:21 - 2:23(笑)
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2:23 - 2:25「なんで教科書を持ってきたんだ?
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2:25 - 2:27必要ないよ」
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2:27 - 2:34父にこう言いました
「難民キャンプに学校がなかったら -
2:34 - 2:36この教科書で勉強するつもりよ
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2:36 - 2:39この教科書は私の力なの
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2:39 - 2:41私の未来なの」
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2:42 - 2:45難民キャンプに着くと
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2:47 - 2:51生活は非常に困難なものでした
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2:51 - 2:56電気のない場所での新生活
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2:57 - 3:01シリアとは全く違う場所でのテント暮らし
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3:01 - 3:04シリアと難民キャンプは
全く違いました -
3:05 - 3:08そして 私は最初に父にこう尋ねました
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3:08 - 3:12キャンプに留まるの それとも
より良い暮らしを求めるの -
3:12 - 3:15「学校はどこ?」とも尋ねました
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3:16 - 3:22そして父が学校を見つけ
そこから 私の人生は変わりました -
3:22 - 3:26同時に教育の権利を得ることが
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3:26 - 3:29何よりも重要であると気づいたのです
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3:30 - 3:32学校に通う初日には
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3:32 - 3:36私は再び学校に戻って
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3:36 - 3:38知識が得られることになり
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3:38 - 3:40教育を信じる者として
とてもわくわくしていました -
3:42 - 3:46しかし 残念なことに
私が見た多くの女子と子供は -
3:46 - 3:48教育を信じず
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3:48 - 3:54教育が必須だとも 将来への最善の道だとも
考えていませんでした -
3:55 - 3:56そのとき
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3:56 - 4:01教育が自分にとって本当に
重要だと考えていた私は -
4:01 - 4:04教育は全ての人に重要であると
考えました -
4:04 - 4:10そして 子供たちを学校に戻すための
活動を始めようと自分に言い聞かせました -
4:10 - 4:14テントを次々に訪れ
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4:14 - 4:17人々に教育の重要性を話しましたが
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4:18 - 4:23「我々に指図したり忠告することは
お前の役割ではない」と言われました -
4:24 - 4:27しかし そのおかげで私のやる気は
更に強いものとなりました -
4:28 - 4:31私の話を聞こうとしなかった人が
言ったとおりで -
4:32 - 4:34まだ やることはあります
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4:34 - 4:37なぜなら 私は教育を
信じているからです -
4:37 - 4:41教育こそが 私たちが困難に
立ち向かう道なのです -
4:41 - 4:44また 教育は私の国を再建できる道なのです
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4:45 - 4:49私たちには力のある世代が必要です
つまり 難民と呼ばれるだけに留まらず -
4:49 - 4:51この世代は教育を受けている必要があります
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4:52 - 4:57私たちは「数」の集まりではなく
「個性」の集まりになりたいのです -
4:57 - 4:59単に難民と呼ばれるのは嫌です
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4:59 - 5:02それぞれの難民が 別の肩書を得て
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5:02 - 5:07医者やエンジニア 教師など
望む仕事に就いて欲しいのです -
5:08 - 5:14残念ながら 多くの人は
難民に必要なのは必需品だけだと考えています -
5:14 - 5:16それは間違いです
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5:16 - 5:19もっと価値のあるものが必要です
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5:19 - 5:21それは教育です
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5:21 - 5:25教育には私を人間らしくする
可能性があります -
5:25 - 5:29さらに教育は私たちに
あらゆるものを与えてくれます -
5:30 - 5:35難民キャンプで
子供たちの代弁者として3年を過ごし -
5:35 - 5:40私は子供たちのための教育活動家として
知られるようになりました -
5:40 - 5:43ここイギリスに来る機会も得ました
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5:43 - 5:45ここで新しい暮らしを始められ
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5:45 - 5:49自分の教育についても更に考えることができ
本当に幸せです -
5:50 - 5:53一方 人のために戦うことも
止めてはいません -
5:54 - 6:00学校に行けること この地で機会をいただいて
勉強を続けられることは素晴らしいことです -
6:01 - 6:07しかし 全ての子供が教育を受けられない
状況では 私は全く満足できません -
6:07 - 6:13私は子供たちの声が伝わるよう
できる限りのことをします -
6:13 - 6:18難民キャンプで
苦労して暮らす人は -
6:18 - 6:21なりたくて難民になったのではありません
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6:21 - 6:22自分たちのせいではなく
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6:22 - 6:25自分たちが何かをしたせいではなく
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6:25 - 6:31厳しい状況 困難な環境のせいで
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6:31 - 6:34難民になり
苦しい生活を強いられたのです -
6:34 - 6:40あなたが誰であろうと
いくつであろうと -
6:40 - 6:43最も重要なのは 教育を受けること
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6:43 - 6:46知識を得ること
自分の権利のために戦うことです -
6:46 - 6:51教育という武器は私たちが望む全てを
与えることができます -
6:51 - 6:56私たちは変化を生み
人生をより良くすることができます -
6:56 - 7:01今日皆さんの前でお話ししているのは
私が他の人より優れているからとか -
7:01 - 7:03特別であるからではありません
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7:03 - 7:05そうではありません
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7:05 - 7:11私がここに立っているのは
他の人よりも責任があるからです -
7:11 - 7:16他の人を代弁する時には
十分な強さがなければ -
7:16 - 7:21他の人の声を反映させ
その苦しみを伝えられることができません -
7:21 - 7:24どれだけ自分が幸運かを
考えてみてくだだい -
7:24 - 7:28今日話を聞いている皆さんは
こう考えるかもしれません -
7:28 - 7:32難民の命は重要ではないとか
難民は苦しんでいて -
7:32 - 7:35学校へなんか行きたくない人だと
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7:36 - 7:38つまり 教育を受けられない人や
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7:38 - 7:42知識の習得に苦労している人がいても
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7:42 - 7:45傍観することしかできない人だと
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7:46 - 7:48皆さんには学校もあって
先生もいます -
7:48 - 7:49友達もいます
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7:50 - 7:52しかし それがない人もいます
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7:52 - 7:56私たちはそのような人に機会を与えるため
共に立ち上がる必要があります -
7:56 - 8:00たやすいことではありません
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8:00 - 8:02非常に困難なことですが
不可能なことではありません -
8:03 - 8:05まず始めることが重要です
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8:05 - 8:10私は 人として自分の声を広め
経験を語ることができます -
8:10 - 8:14その経験は教育の重要性について
だけではありません -
8:14 - 8:17誰もが教育の重要性を知っています
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8:17 - 8:22教育が私たちの将来を作り出す道だと
いうこともわかっています -
8:22 - 8:25特にここにいる皆さんは
ご存知でしょうが -
8:25 - 8:28理解しなければならない最も大事なことは
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8:28 - 8:30家に帰ってからそのことについて
考えることなのです -
8:30 - 8:35今日の講演も終わったら すぐに
忘れられるものにはしたくありません -
8:35 - 8:39家に帰ったら子供たちに今日のことを伝え
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8:39 - 8:41更なる希望を与え
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8:41 - 8:46互いを思いやり 他者を受け入れよう
話してください -
8:46 - 8:49難民は自分の家を
離れたかったわけではありません -
8:49 - 8:51難民を受け入れ
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8:51 - 8:53機会を与えるその瞬間に
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8:53 - 8:57難民を自分の国の再建に取組める
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8:57 - 9:00強い力を持った人に
変えることができるのです -
9:00 - 9:02それこそ私たちが
しなければならないことです -
9:02 - 9:08難民の話をするのは たやすいことですが
支援するのは困難です -
9:08 - 9:10私一人では何もできません
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9:10 - 9:13この部屋にいる一人一人が
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9:13 - 9:17私たちを助け
更なる機会を与えることができます -
9:17 - 9:23共に戦い 思いやりを持ってくれれば
私たちはお互いに助けあうことができるのです -
9:24 - 9:29報道を聞き流すだけだとか
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9:29 - 9:33難民やその困難を考えない姿勢は
もう許されないのです -
9:33 - 9:38だから私たちは最も価値のあることについて
理解しなければなりません -
9:38 - 9:40今 声を上げているものとして
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9:40 - 9:43最年少のUNICEFの親善大使として
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9:43 - 9:45私には大きな責任があります
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9:45 - 9:48大使であることは素晴らしいことですが
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9:48 - 9:51まだまだ長い道のりが待っています
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9:51 - 9:57子供たちが教育を受けられるようにし
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9:57 - 9:59子供たちに知識を与え
子供たちに安定を与え -
9:59 - 10:03将来に役立つスキルを与えるのです
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10:04 - 10:09このように 私たちが何者であっても
すべての人が協働し -
10:09 - 10:11団結しなければなりません
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10:11 - 10:18私たちがお互い憎しみあえば
困難は克服できませんが -
10:18 - 10:21お互いを思いやり
共に声を上げ -
10:21 - 10:25希望を持てない人に 希望をより
与えられれば困難は克服できます -
10:26 - 10:31これは私たち一人ひとりに課せられた
日々の責任なのです -
10:32 - 10:33さあ今日から始めましょう
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10:33 - 10:35明日から変えようではだめです
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10:35 - 10:40今始めなければ
明日が変わることはありません -
10:40 - 10:44今 私たちの人生は
変えることができます -
10:44 - 10:47それはみなさん次第です
誰もが 今 耳を傾けています -
10:47 - 10:52世界を平和にすることは
全ての人の責任です -
10:52 - 10:55お互いを知ること
それは素晴らしいことです -
10:55 - 10:59そして教育は世界をより良く
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10:59 - 11:03より強くするための道なのです
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11:03 - 11:06教育がなければ
私たちは強くなれません -
11:06 - 11:10教育は私たちを自分そのものや
なりたい自分にしてくれます -
11:10 - 11:12私たちは全員が かけがえのないものです
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11:12 - 11:18素晴らしい人でないと始められないのではなく
素晴しい人になるために始める必要があります -
11:18 - 11:23始めることで 他の人のために
より良い世界を作ることができます -
11:23 - 11:28私は今日 皆さんと共に
全員が一丸となって行動を起こし -
11:28 - 11:32苦しんでいる人のことを
より深く考えたいと思います -
11:32 - 11:34私たちは必要とされています
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11:34 - 11:37幸せに自国で暮らしていれば
私たちは必要とされません -
11:37 - 11:41難民が苦しみ 希望を持てない
こういう困難な時こそ -
11:41 - 11:44私たちは必要とされています
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11:44 - 11:46それも皆さん次第です
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11:46 - 11:48希望を与えてください
さあ始めましょう -
11:48 - 11:50ありがとうございました
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11:50 - 11:51(拍手)
(喝采)
- Title:
- シリアの将来を決めるたった一つの事 | マズーン・ラカン・アルメレハン | TEDxTeen
- Description:
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シリアの危機を終わらせる手立ては何でしょう?教育です。
マズーン・ラカン・アルメレハンは1998年生まれ。
シリアのダルアー郡アズラア市から、難民としてヨルダンに避難し、ザータリ難民キャンプに着いた時から教育のことが心配でした。学校に通い始めてから、彼女は団体「セーブ・ザ・チルドレン」と共同で教育を促進する運動を開始しました。その活動が UNICEF(国際連合児童基金), UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とセーブ・ザ・チルドレンから注目され、UNICEF からは、ザータリ難民キャンプ教育大使の称号が与えられました。
UNICEF のスタッフは彼女のことを「シリアのマララ」とも呼んでいます。このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDxTalks
- Duration:
- 11:59