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細胞膜は想像以上にずっと複雑 — ナジー・パクプー

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    細胞膜の構造は矛盾しています
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    脂質でできた膜は
    クモの糸の何百分の1の薄さにもかかわらず
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    十分な強さで 生命を構成する
    繊細な内容物を守っています
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    水分を多く含む細胞質や
    遺伝子物質、細胞内小器官
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    その他生命維持に必要な
    あらゆる分子たちです
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    細胞膜はどのように働き
    その強さはどこから来ているのでしょう?
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    細胞膜は風船の素材のように
    ピンと張ったものを想像しがちですが
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    細胞膜は風船の素材のように
    ピンと張ったものを想像しがちですが
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    実はもっと複雑な構造をしています
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    実際はそれは常に変化し続け
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    いろいろな成分を膜を使って出し入れして
    細胞が食べものを取り込んだり
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    老廃物を排出したり
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    特定の分子を出し入れしたり
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    他の細胞と会話したり
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    環境の情報を集めたり
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    自分を修復したりしています
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    細胞膜の強靭性や柔軟性
    そして機能性は
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    膜に浮かんだ様々な要素の組み合わせで
    得られるものです
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    生物学で流動モザイクと呼ばれる構造です
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    流動モザイクの主な構成要素は
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    リン脂質という単純な分子です
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    リン脂質の
    電荷を帯びた親水性の頭部は
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    水を引きつけ
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    疎水性の尾部は水を遠ざけます
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    尾部どうしがペアになって
    5〜10ナノメートルの厚さの二重層を構成し
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    それらがびっしりと細胞を覆っています
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    その頭部は細胞質と
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    細胞外部の水性溶液へと向いていて
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    脂質の尾部が
    その間に挟まれた形になっています
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    二重層は体温では
    植物油のような柔らかさで
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    そこに他の種類の分子が散らばっています
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    タンパク質や
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    炭水化物
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    コレステロールなどです
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    コレステロールは細胞膜を
    適切な流動性のある状態に保ち
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    また 細胞間のコミュニケーションを助けます
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    時折 細胞たちは会話します
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    化学物質やタンパク質を放出したり
    受け取ったりして
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    タンパク質の放出は簡単です
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    でもそれを受け取るのはもっと複雑で
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    エンドサイトーシスという過程を経ます
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    膜の1部が物質を包み込み
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    それらを細胞内に小胞として運びます
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    1度その内容物が放出されると
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    小胞はリサイクルされ細胞膜に戻ります
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    流動モザイク中の最も複雑な物質は
    タンパク質です
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    それらの主要な役割の一つは
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    正しい分子が細胞を出入りするのを
    見届けることです
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    酸素や二酸化炭素
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    そしていくつかのビタミンのような
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    無極性分子は
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    リン脂質二重層を簡単に通過します
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    でも極性分子は内側の脂質層を
    通過できません
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    膜貫通型タンパク質は
    二重層を貫いてチャネルを形成し
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    ナトリウムイオンやカリウムイオンなどの
    特定の分子を通過させます
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    細胞膜裏打ちタンパク質は二重層の
    すぐ内側にあって
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    細胞膜を細胞内部の枠組みへと
    固定する役割をします
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    細胞膜中の他のタンパク質は
    二つの二重層を融合することができ
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    それは例えば精子が卵子を
    受精させるときなどには便利ですが
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    ウイルスが細胞内に侵入するときなどは
    不利に働きます
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    流動モザイク中のいくつかのタンパク質は
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    集合して特定の仕事をする
    複合体を作り上げます
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    例えば ある複合体は
    免疫系中の細胞を活性化し
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    目的を遂げるとまたバラバラになります
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    細胞膜では常にヒトと病原体との
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    戦いが起こっています
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    事実 最も毒素の強い物質のいくつかは
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    感染力のあるバクテリアが作る
    細胞膜を破壊するタンパク質です
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    これら毒素は細胞膜に大きな穴を開け
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    細胞の内容物が漏れ出します
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    科学者たちはその対策を研究開発しています
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    細胞膜を傷める毒素を吸収して細胞を救う
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    ナノ・スポンジのようなものなどです
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    流動モザイクはすべての生命機能を
    成立させる仕組みです
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    細胞膜が無ければ 細胞も存在せず
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    細胞が無ければバクテリアも存在せず
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    寄生虫もおらず
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    真菌類も
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    動物も
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    私たちも存在しません
Title:
細胞膜は想像以上にずっと複雑 — ナジー・パクプー
Description:

細胞膜の構造は矛盾しています
脂質でできた膜はクモの糸の何百分の1の薄さにもかかわらず、十分な強さで 生命を構成する繊細な内容物を守っています。― 水分を多く含む細胞質や遺伝子物質、細胞内小器官、そして生命維持に必要なあらゆる分子たちです。細胞膜はどのように働きその強さはどこから来ているのでしょう?ナジー・パクプーが解説します。
講師: ナジー・パクプー、アニメーション: ゼデム・メディア
*このビデオのレッスン: https://ed.ted.com/lessons/cell-membranes-are-way-more-complicated-than-you-think-nazzy-pakpour
TumblrでTED-Edをチェック:http://teded.tumblr.com/

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
05:21
  • Animation at around 0:51-0:54 appears incorrect, in which a single layer of lipid was formed to carry a molecule within the plasma membrane. The lipid bilayer would not dissociate this way. -- September 9, 2017 Masaki Yanagishita

Japanese subtitles

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