こころの創生を重視した地方創生へのアプローチ | 門川 大作 | TEDxKyoto
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0:12 - 0:16「日本に、京都があってよかった。」
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0:16 - 0:19京都の魅力を発信するフレーズです
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0:20 - 0:24同様のフレーズが JR東海さんの
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0:24 - 0:27「そうだ京都、行こう。」がございます
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0:28 - 0:32二つのフレーズに共通する特徴
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0:32 - 0:37目的も何の説明もない
それでいて -
0:37 - 0:41多くの人の共感をいただいております
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0:41 - 0:47「なんで?」「何しに?」
そんな疑問はありません -
0:47 - 0:51クレームもない
いや 一回だけクレームがありました -
0:52 - 0:56姉妹都市交流でボストンに行った時
言いました -
0:56 - 1:02すると ジャパンソサエティの理事長
現地の人が -
1:02 - 1:07「門川市長 遠慮するな
世界に京都があってよかったと言え」 -
1:08 - 1:12「私たちは そう思っている」
これ1回 -
1:12 - 1:16そんな京都 その京都に生まれ
育てていただき -
1:16 - 1:20市長就任8年
現地現場主義に徹し -
1:22 - 1:25京都の歴史力 創造力に
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1:25 - 1:30それを支える人々の人間力に
感激しながら -
1:30 - 1:33皆のために駆け回っています
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1:34 - 1:40世界歴史都市連盟
108の歴史都市が加盟する -
1:40 - 1:45その会長を 京都市長が30年
一貫して務めています -
1:46 - 1:49世界に歴史都市は多いですが
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1:49 - 1:51100万人を超える規模の都市で
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1:51 - 1:59千年を超えて 都市の営みが
文化が 一度も遮断されてない -
1:59 - 2:01そんな 京都のようなまちは
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2:01 - 2:04世界できわめてめずらしい
と言われています -
2:04 - 2:10なぜか?
ここでは二つ説明したいと思います -
2:10 - 2:14一つは 京都の
「精神文化」と「ものづくり」 -
2:14 - 2:20これが見事に融合し
伝統を生かしながら創造してきた -
2:21 - 2:26
強靭な指軸となって続いてきた
こういうことであります -
2:26 - 2:30千年前に 源氏物語が書かれました
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2:30 - 2:34能 ・狂言 ・歌舞伎
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2:34 - 2:38さらに
茶道 ・華道・ 香りの香道 -
2:39 - 2:42和食も京都で育まれ
発展しました -
2:42 - 2:47その背景は
自然との共生の思想であり -
2:47 - 2:51宗教 宗教的情操であります
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2:52 - 2:55そして それらがものづくり
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2:55 - 3:00織物・ 染め物 ・陶磁器 ・お酒
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3:00 - 3:04印刷 ・庭園 ・建物
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3:04 - 3:08さまざまなものづくりを
発展させました -
3:08 - 3:14そして そこに素晴らしい匠の技が
感性が 文化が発展しました -
3:15 - 3:20自らを律しつつ
豊かな暮らしを実現していく -
3:21 - 3:26これが京都であり
また日本であります -
3:26 - 3:29そのすばらしい伝統から
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3:29 - 3:34今 世界的な産業が発展しています
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3:34 - 3:38京焼・清水焼から「京セラ」が
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3:39 - 3:42仏具から「島津製作所」が
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3:43 - 3:48あるいは お酒からお薬
バイオテクノロジー -
3:48 - 3:53さらに 花札がゲーム機「任天堂」へ
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3:53 - 3:56大学のまち 知恵産業のまち
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3:56 - 4:01どんどんイノベーションを起こしていく
これが京都であります -
4:01 - 4:04もう一つ なぜ千年続いたか?
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4:04 - 4:07これは まちづくりのコンセプト
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4:07 - 4:111,200年前 京都に都ができるまで
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4:11 - 4:16都の名前は
例えば長岡京 藤原京など -
4:16 - 4:18土地の名前などでした
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4:19 - 4:25しかし 京都は
「平和 ・安心・ 安全 ・安寧」を願って -
4:25 - 4:32都の名前に「平安」を刻みました
「平安」がコンセプト -
4:32 - 4:38そして 世界の歴史都市は
城壁で囲まれるのが常識でした -
4:39 - 4:45かつて 全部城壁がありました
しかし 平安京には城壁はありません -
4:45 - 4:51千年前から 都の外と中を分けない
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4:52 - 4:54世界の方々と交流する
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4:54 - 4:59文化交流
これが京都のコンセプトであります -
5:00 - 5:04「世界文化自由都市」を
京都は都市の最高の理想にしています -
5:05 - 5:09この千年前のコンセプトを大事にしたい
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5:10 - 5:13今 世界で争いが絶えない
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5:13 - 5:17貧困 ・格差・ 環境破壊
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5:17 - 5:20これらの課題を解決していく
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5:20 - 5:25その思想が京都にある
私はそう確信します -
5:26 - 5:32さて そんな京都
日本に 深刻な危機がございます -
5:33 - 5:35人口急減であります
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5:37 - 5:40日本人が経験したことのない
人口急減である -
5:41 - 5:44そのように言われています
その通りです -
5:44 - 5:50しかし 京都は150年前に経験しました
明治維新 -
5:50 - 5:53都の地位を失った時に
京都は一気に -
5:53 - 5:59人口30万人から20万人に激減しました
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6:01 - 6:03都市存亡の危機であります
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6:03 - 6:07その時に 先人たちは何をされたか?
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6:07 - 6:13子供さえしっかりと育てれば
未来は明るい -
6:13 - 6:16「まちづくりは人づくりから」
であります -
6:17 - 6:22まだ身分性の色濃く残る
厳しい差別の時代に -
6:22 - 6:25地域の子どもは
地域の宝として育てよう -
6:25 - 6:30人々が まだ文部省がない時代に
お金を出し合って -
6:30 - 6:3664の地域制の学校を創られ
差別のない教育を始められました -
6:37 - 6:41そして 日本で最初の芸術大学も
創られました -
6:41 - 6:44これが今に続きます
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6:44 - 6:48人を育てることと
文化を大事にすること -
6:48 - 6:53そしてまた 京都にも日本にも
危機がございました -
6:54 - 6:57二十数年前の
バブル経済の崩壊であります -
6:58 - 7:00深刻な不況でありました
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7:00 - 7:04その時に京都は 市民ぐるみで議論し
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7:05 - 7:08長期ビジョン・基本構想を作りました
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7:08 - 7:12多くの都市の基本構想の冒頭は
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7:13 - 7:17都市のインフラをどうするか
産業政策をどうするか -
7:17 - 7:24しかし 京都は「京都市民の生き方」
これを大事にしよう -
7:24 - 7:29具体的には 京都市民の6つの得意技を
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7:30 - 7:33皆で議論して確認しました
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7:33 - 7:37「めきき」本物を見抜く批評眼
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7:37 - 7:41「たくみ」精緻なものづくりの技巧
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7:41 - 7:46「きわめ」何ごとも徹底して研ぎ澄ます
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7:46 - 7:47ええかげんな妥協をしない
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7:47 - 7:50そして「こころみ」新たな挑戦
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7:50 - 7:52さらには 「おもてなし」
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7:52 - 7:55そして「しまつ (もったいない)」
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7:55 - 8:00この心を大事にして
生き方を大事にして -
8:00 - 8:02具体的な政策に落とし込む
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8:02 - 8:04今 市民ぐるみで取り組んでいます
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8:04 - 8:09当時 不況から脱出するために
日本中で規制緩和の大合唱でした -
8:09 - 8:11どんどんと高層ビルを建てる
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8:11 - 8:17しかし京都は 決して小さな東京に
ならない覚悟を決めました -
8:17 - 8:21そして まずは
新たな景観政策であります -
8:22 - 8:25建物の高さの規制を強化する
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8:25 - 8:27デザインを調和あるものにする
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8:27 - 8:32屋上や派手な看板は2万5千件
撤去していただきました -
8:32 - 8:35京都は一段と 美しくなりました
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8:35 - 8:39そして「京都議定書 」誕生の地
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8:39 - 8:42もったいない しまつの心
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8:42 - 8:47ごみを減らそう
42% ピークから減り -
8:47 - 8:495つあった清掃工場は3つになり
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8:50 - 8:55ごみ処理のためのコストは
年間106億円減りました -
8:55 - 8:58そして
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9:01 - 9:03車中心の社会から
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9:03 - 9:07人と公共交通中心のまちにしよう
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9:07 - 9:09ということでやりました
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9:09 - 9:12お陰さんで 20年前
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9:12 - 9:17京都にお越しになるお客さん
41.7%マイカーでした -
9:17 - 9:21去年9.9%
4分の1以下になりました -
9:21 - 9:24皆で 地下鉄 ・市バスに乗りましょう
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9:24 - 9:26利便性も向上させましょう
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9:26 - 9:30お客さんが増えて
経営も大きく改善しました -
9:31 - 9:36そして「おもてなし」観光政策
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9:36 - 9:40191の政策を実施し
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9:40 - 9:43「世界で一番行きたい都市」
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9:43 - 9:482年連続 一位の
高い評価を得るにいたりました -
9:48 - 9:54さらに「ひと作り」は大事ということで
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9:54 - 9:56「子育て環境日本一」にしよう
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9:56 - 10:002年連続「保育所待機児童ゼロ」
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10:00 - 10:03また 熱意あふれる教職員
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10:03 - 10:07それを応援いただく地域やPTAのお陰で
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10:07 - 10:11小学校・中学校・高校の教育も
大きく前進しました -
10:11 - 10:15そんな京都に住みたい
京都で子育てしたい -
10:15 - 10:18こういう方が増えてきました
嬉しいです -
10:19 - 10:258年前 京都市から出ていく人の方が
3,600人多かったんですが -
10:25 - 10:32最近 この一年では3,250人
京都に来られる方のほうが増えました -
10:33 - 10:36しかし 合計特殊出生率はまだ低い
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10:37 - 10:40なんとしてもこれを高めたい
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10:40 - 10:44京都で結ばれ
京都で赤ちゃん産んで -
10:44 - 10:46皆で応援して育てていく
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10:46 - 10:50そんな取り組みを
より一層強化したいと思っています -
10:50 - 10:53人口減少社会
これに挑戦するために -
10:53 - 10:58日本中で「まち・ひと・しごと」
創生の取り組みが始まりました -
10:58 - 11:00京都は
「こころ」を大事にしよう -
11:00 - 11:04「こころの創生」を真正面に掲げました
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11:04 - 11:06そして 市民力を生かす
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11:07 - 11:12市民の皆さんが 自分ごととして
皆ごととして取り組まれる -
11:12 - 11:15それを京都市がバックアップする
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11:15 - 11:18その総合戦略をいち早くまとめました
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11:18 - 11:24京都は 京都だけ元気になったらいい
そんなことは思ってませんし -
11:24 - 11:26
ありえません -
11:26 - 11:30全国の方々と心を一つにして
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11:30 - 11:34全国津々浦々の地方創生のモデルを
作っていきたい -
11:34 - 11:35こう考えております
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11:35 - 11:38笑顔を日本中に一杯にしたい
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11:38 - 11:39そういうことであります
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11:39 - 11:42「門川市長はいつも着物ですね」
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11:42 - 11:45そうおっしゃいます
そうです -
11:45 - 11:49ただ 誤解されているところもあります
京都のPRだけではないんです -
11:49 - 11:55今日は 着物は大島・羽織は結城
袴は仙台平です -
11:56 - 12:01日本で最も良い繭ができるのは
福島県の川俣 -
12:01 - 12:03今も良い繭ができます
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12:03 - 12:09しかし 全国津々浦々の
地場産業は厳しい -
12:09 - 12:14東京一極集中
経済優先・効率化優先 -
12:15 - 12:20そんな中で 日本の文化を支える
伝統産業が極めて危機的であります -
12:21 - 12:24私たちには大きな夢があります
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12:26 - 12:30京都から 千年続く
全国と繋がって -
12:32 - 12:36文化で ものづくりで
全国津々浦々を元気にしたい -
12:37 - 12:39地方創生に貢献したい
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12:39 - 12:45そして「京都を日本の文化の首都」に
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12:45 - 12:48更に「世界の文化首都」にしたい
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12:48 - 12:50こういうことであります
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12:50 - 12:55外国に行くと実感します
クールジャパンも人気であります -
12:55 - 13:01同時に 京都に伝わる
日本の生き方の哲学 -
13:01 - 13:08暮らしの美学・寛容の精神
和の精神・宗教で対立しない -
13:08 - 13:13そうした哲学が
世界から尊敬を集めています -
13:13 - 13:19この時
日本人がそのことを再認識して -
13:19 - 13:24世界の人々の幸せのために
平和のために貢献できる -
13:24 - 13:28そのためにも
「日本に京都があってよかった」から -
13:28 - 13:33「世界に日本があってよかった
京都があってよかった」 -
13:33 - 13:35そこへ高めて行きたい
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13:35 - 13:38そのためには「文化庁を京都に」
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13:38 - 13:43効率重視の東京から文化は
ちょっと距離を置いて -
13:43 - 13:46文化は京都で
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13:46 - 13:51そして千年に渡って
全国と繋がってきた心を繋ぎ -
13:51 - 13:54世界と心を繋ぎ
未来に繋いでいく -
13:54 - 13:57ハードルはございますけど
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13:57 - 13:59皆で一緒に「 文化庁を京都」に
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13:59 - 14:02そして文化で日本を元気にし
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14:02 - 14:06文化で世界の幸せ 人々の幸せに
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14:06 - 14:09世界の平和に貢献する
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14:09 - 14:14そのために 皆さんと一緒に
努力してまいりたいと思います -
14:14 - 14:16(拍手)
- Title:
- こころの創生を重視した地方創生へのアプローチ | 門川 大作 | TEDxKyoto
- Description:
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京都市長・門川大作は京都の持つ創造性、多様性、歴史のある伝統を重んじ、現代の課題である「地方創生」に取り組んでいます「文化庁を京都に」そして「京都を世界の文化都市に」という大きな夢を持つ門川市長が世界に誇れる未来の京都市のビジョンを熱く語ります。
このビデオはTEDカンファレンスとは独立して運営されるTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくはhttp://ted.com/tedxをご覧ください。 - Video Language:
- Japanese
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDxTalks
- Duration:
- 14:23
Mari Arimitsu edited Japanese subtitles for こころの創生を重視した地方創生へのアプローチ | 門川 大作 | TEDxKyoto | ||
Mari Arimitsu approved Japanese subtitles for こころの創生を重視した地方創生へのアプローチ | 門川 大作 | TEDxKyoto | ||
Mari Arimitsu edited Japanese subtitles for こころの創生を重視した地方創生へのアプローチ | 門川 大作 | TEDxKyoto | ||
Mari Arimitsu edited Japanese subtitles for こころの創生を重視した地方創生へのアプローチ | 門川 大作 | TEDxKyoto | ||
Mari Arimitsu edited Japanese subtitles for こころの創生を重視した地方創生へのアプローチ | 門川 大作 | TEDxKyoto | ||
Mari Arimitsu edited Japanese subtitles for こころの創生を重視した地方創生へのアプローチ | 門川 大作 | TEDxKyoto | ||
Mari Arimitsu edited Japanese subtitles for こころの創生を重視した地方創生へのアプローチ | 門川 大作 | TEDxKyoto | ||
Ichi Kanaya accepted Japanese subtitles for こころの創生を重視した地方創生へのアプローチ | 門川 大作 | TEDxKyoto |