アインシュタインの双子のパラドックス ― アンバー・ステューバー
-
0:06 - 0:1120歳の誕生日に一卵性双子の宇宙飛行士が
実験への参加に名乗り出ました -
0:11 - 0:15テラは地球に残り
一方 ステラは宇宙船に乗ります -
0:15 - 0:19ステラの宇宙船は光速の86.6%で飛行し
-
0:19 - 0:2210光年先にある星へ行き
-
0:22 - 0:24同じスピードで地球に戻ります
-
0:24 - 0:26双子は離ればれになる
覚悟をしながら -
0:26 - 0:29再会したときに
どうなっているのか思案しました -
0:29 - 0:321光年とはまさに光が
1年間に進む距離なので -
0:32 - 0:35ステラの旅は23年かかるはずです
-
0:35 - 0:38しかし 双子は特殊相対性理論を
学んでいたので -
0:38 - 0:41そう単純でないと分かっています
-
0:41 - 0:44まず 宇宙で物体が動く速度が速いほど
-
0:44 - 0:49動いていない観測者より
時間がゆっくり進みます -
0:49 - 0:52この関係はローレンツ因子で定量化され
-
0:52 - 0:55この方程式で定義されます
-
0:55 - 0:59また 静止している観測者により
測定される動く物体の長さは -
0:59 - 1:01同じ因子だけ収縮します
-
1:01 - 1:05光速の86.6%だと
ローレンツ因子は2なので -
1:05 - 1:09宇宙船内での時間は
2倍ゆっくりと進みます -
1:09 - 1:12もちろん ステラは 時間がゆっくりと
進んでいることに気付きません -
1:12 - 1:16時間とともに進行する
宇宙船内の全ての物事 ― -
1:16 - 1:19時計や電子機器なども
ゆっくりと動作するからです -
1:19 - 1:22それには 加齢の速さや
ステラ自身の時間経過の認識そのものを含め -
1:22 - 1:24生命活動も含まれています
-
1:24 - 1:28航行中の宇宙船内のステラに対する
ゆっくりとした時間の流れを -
1:28 - 1:29気づくことが可能な人がいるとしたら
-
1:29 - 1:34それは唯一 慣性系 すなわち
加速していない参照系にいる -
1:34 - 1:36地球上のテラのような人だけです
-
1:36 - 1:39故に 2人が地球で再会したとき
自分はステラより年をとっているはずだと -
1:39 - 1:41テラは結論付けます
-
1:41 - 1:44しかし それは1つの見方にすぎません
-
1:44 - 1:46全ての動きは相対的であるため
-
1:46 - 1:51宇宙船の方がが静止しているとみなし
テラを含む宇宙の残り全てが -
1:51 - 1:55ステラに対し移動しているという
見方も正しいとステラは主張します -
1:55 - 1:59その場合 テラにとって
時間は半分の速さで進み -
1:59 - 2:02最終的にステラが年上の双子になります
-
2:02 - 2:06双方が相手に対し年上にはなれないので
どちらが正しいのでしょうか -
2:06 - 2:10この見掛けの矛盾は
「双子のパラドックス」として知られています -
2:10 - 2:12しかし 実は矛盾はしていないのです
-
2:12 - 2:17特殊相対性理論が
誤解されやすいという一例にすぎません -
2:17 - 2:19実時間で理論を検証するために
-
2:19 - 2:22双子は それぞれにとっての1年が
過ぎるたびに -
2:22 - 2:25相手に対し閃光を放つことに
同意します -
2:25 - 2:28他の物体とは異なり
光速は常に一定です -
2:28 - 2:31観測者の慣性系とは無関係です
-
2:31 - 2:34地球からの閃光も
宇宙船からの閃光も -
2:34 - 2:36同じ速さとして測定されます
-
2:36 - 2:40往路か復路かは関係ありません
-
2:40 - 2:42そのため 双子の一方が
閃光を観測した時に -
2:42 - 2:47測定しているのは 相手が1年という時間を
体験するのに要した時間に -
2:47 - 2:50光が2人の間を進むのに要した時間を
加えたものになるのです -
2:50 - 2:52この経緯をグラフで表すことができます
-
2:52 - 2:58X軸は地球からの距離を表しており
Y軸は時間の経過を表しています -
2:58 - 3:02テラからみると
経路は単なる垂直な線になり -
3:02 - 3:03移動距離はゼロで
-
3:03 - 3:08線上の1目盛りが
テラが感じる1年に相当します -
3:08 - 3:13ステラの経路は同じ原点から
時間で11.5年後 -
3:13 - 3:16距離で10光年となる位置までの
範囲にまたがっており… -
3:16 - 3:20そして 23年後に
距離が0の点に戻ってきます -
3:20 - 3:22テラにとっての1年目の日に
-
3:22 - 3:26彼女は地球からステラの宇宙船に
光パルスを送ります -
3:26 - 3:291光年の距離を光が進むのに
1年かかるので -
3:29 - 3:32光の経路は45度の傾きをもった
斜線になります -
3:32 - 3:35そして 光が彼女に追いつく時には
ステラは元の位置より -
3:35 - 3:37さらに離れた場所まで
移動しているので -
3:37 - 3:42テラにとって計7年より長く
ステラにとって4年より長い時間が経過します -
3:42 - 3:45テラの2度目の閃光を
ステラが観測するまでには -
3:45 - 3:47ステラはすでに復路についているでしょう
-
3:47 - 3:51しかし 今は光源に向かって
動いているので -
3:51 - 3:532度目の閃光はより短い時間で
ステラに到達し -
3:53 - 3:55しかも ステラは閃光を
より頻繁に観測することになります -
3:55 - 3:58つまり 行程の前半では
ステラは -
3:58 - 4:00テラがゆっくりと年をとり
-
4:00 - 4:03往路では急激に
年をとるのを観測します -
4:03 - 4:06その間 ステラにとっては
テラも 行く先の星も -
4:06 - 4:09全宇宙も自分に対し
移動しているように見えます -
4:09 - 4:11そして 収縮のせいで
-
4:11 - 4:15ステラはお互いの距離が
半分に縮んでいるかのように観測します -
4:15 - 4:21これは ステラの視点では 往路 復路とも
6年ほどしかかからないということです -
4:21 - 4:25ステラが地球へ最初の合図を送るときは
テラにとっては2年が過ぎています -
4:25 - 4:29ステラは往路において
さらに4回 閃光を放ちます -
4:29 - 4:31閃光の発信位置は
各回ごとに離れていきます -
4:31 - 4:35ステラが帰路で放った最初の閃光を
テラが観測する時までに -
4:35 - 4:38テラにとっては21年より長い
時が経っていることでしょう -
4:38 - 4:40ステラの残りの復路の間に
-
4:40 - 4:44テラは毎年 閃光を複数回 観測します
-
4:44 - 4:50テラは23年の期間のうち 初めの90%の期間は
ステラが自分よりゆっくり年をとり -
4:50 - 4:53最後の10%の期間は
急激に年をとっていると観測します -
4:53 - 4:57この非対称性によりパラドックスが
なぜ実際には矛盾していないのか説明できます -
4:57 - 4:59双子がお互いの時間の進み方が
-
4:59 - 5:02速くなったり 遅くなったり
することを目撃しますが -
5:02 - 5:04ステラにとって それが
半々になっている一方 -
5:04 - 5:08テラにとっては ステラが離れていき
ゆっくりと年を時間が大半を占めます -
5:08 - 5:12これは宇宙旅行の時に 双子それそれが
観測する時間と整合的で -
5:12 - 5:17地球上では23年かかっていますが
宇宙船では11.5年にしか経っていません -
5:17 - 5:23双子が再会する時には テラは43歳で
ステラは31歳になっています -
5:23 - 5:24ステラの主張の間違いは
-
5:24 - 5:29ステラとテラは互いに慣性系にいる
観測者としていたことでした -
5:29 - 5:34慣性系の観測者は
自分を除く宇宙に対し相対的に -
5:34 - 5:37等速直線運動を
続けていなければなりません -
5:37 - 5:41テラは静止していたため
速度はゼロのままでした -
5:41 - 5:44しかし ステラは復路に入るために
方向を変えた時 -
5:44 - 5:48彼女が出発した時にいたのとは
異なる慣性系に移行しました -
5:48 - 5:52テラとステラは今になって
宇宙時間の仕組みをより理解し -
5:52 - 5:5511歳の年の差がある双子として
-
5:55 - 5:59特殊相対性理論の完璧な例と
なっています
- Title:
- アインシュタインの双子のパラドックス ― アンバー・ステューバー
- Speaker:
- アンバー・ステューバー
- Description:
-
20歳の誕生日に一卵性双子の宇宙飛行士が実験への参加に名乗り出ました。テラは地球に残り、一方ステラは宇宙船に乗ります。ステラの宇宙船は10光年先にある星へ行き、地球に戻ります。双子は離ればれになる覚悟をしながら、再会したときにどうなっているのかを思案しました。どちらがより年をとるでしょうか。アンバー・ステューバーが「双子のパラドックス」を掘り下げます。
講師:アンバー・ステューバー
監督: Aim Creative Studios*このビデオの教材 : https://ed.ted.com/lessons/einstein-s-twin-paradox-explained-amber-l-stuver
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 06:00
TED Translators admin approved Japanese subtitles for Einstein's twin paradox explained | ||
Tomoyuki Suzuki accepted Japanese subtitles for Einstein's twin paradox explained | ||
Tomoyuki Suzuki edited Japanese subtitles for Einstein's twin paradox explained | ||
Sola Watanabe edited Japanese subtitles for Einstein's twin paradox explained | ||
Sola Watanabe edited Japanese subtitles for Einstein's twin paradox explained | ||
Sola Watanabe edited Japanese subtitles for Einstein's twin paradox explained | ||
Tomoyuki Suzuki declined Japanese subtitles for Einstein's twin paradox explained | ||
Tomoyuki Suzuki edited Japanese subtitles for Einstein's twin paradox explained |