[Script Info] Title: [Events] Format: Layer, Start, End, Style, Name, MarginL, MarginR, MarginV, Effect, Text Dialogue: 0,0:00:06.71,0:00:11.63,Default,,0000,0000,0000,,不思議の王国 アスガルドには\N北欧の神々が住んでいました Dialogue: 0,0:00:11.63,0:00:16.45,Default,,0000,0000,0000,,オーディンの荘厳な館であるヴァルハラは\N山々の上空にそびえたち Dialogue: 0,0:00:16.45,0:00:20.28,Default,,0000,0000,0000,,虹の橋であるビフレストで\N結ばれていました Dialogue: 0,0:00:20.28,0:00:22.41,Default,,0000,0000,0000,,彼らの世界は素晴らしかったのですが Dialogue: 0,0:00:22.41,0:00:26.81,Default,,0000,0000,0000,,ヨトゥンヘイムの巨人と妖精トロールに対し\N無防備にそびえていました Dialogue: 0,0:00:26.81,0:00:29.99,Default,,0000,0000,0000,,彼らは神々を見くびっていて\N神々を滅ぼそうとしていました Dialogue: 0,0:00:29.99,0:00:34.38,Default,,0000,0000,0000,,ある日 最強である神 トールが\Nよその地で敵と戦っていたとき Dialogue: 0,0:00:34.38,0:00:38.72,Default,,0000,0000,0000,,力強い灰色の馬に乗る\N見知らぬ者が現れました Dialogue: 0,0:00:38.72,0:00:41.99,Default,,0000,0000,0000,,その訪問者は\N驚くべき提案をしました Dialogue: 0,0:00:41.99,0:00:44.93,Default,,0000,0000,0000,,今までに見たこともないような\N見事な壁を建てるというのです Dialogue: 0,0:00:44.93,0:00:50.08,Default,,0000,0000,0000,,どんな巨人でも登れないほど高く\Nどんなトロールでも壊せないほど頑丈な壁です Dialogue: 0,0:00:50.08,0:00:55.02,Default,,0000,0000,0000,,見返りとして\N美しい女神フレイヤとの結婚と Dialogue: 0,0:00:55.02,0:00:59.13,Default,,0000,0000,0000,,空にある太陽と月を要求しました Dialogue: 0,0:00:59.13,0:01:02.83,Default,,0000,0000,0000,,神々はこの要求に難色を示し\N彼を追い払おうとしました Dialogue: 0,0:01:02.83,0:01:06.81,Default,,0000,0000,0000,,しかし ぺてん師でもあるロキは\Nよこしまな計画を仕組みました Dialogue: 0,0:01:06.81,0:01:09.93,Default,,0000,0000,0000,,彼は 神々が見知らぬ者の\N申し出を受け入れて Dialogue: 0,0:01:09.93,0:01:15.51,Default,,0000,0000,0000,,時間以内に壁を完成させられないような\N厳しい条件を提示すべきだと言いました Dialogue: 0,0:01:15.51,0:01:20.58,Default,,0000,0000,0000,,そうすれば 失うものはない上 壁の殆どを\Nタダで建設できると言うのです Dialogue: 0,0:01:20.58,0:01:23.30,Default,,0000,0000,0000,,フレイヤはこの提案を\N全く気に入りませんでしたが Dialogue: 0,0:01:23.30,0:01:25.87,Default,,0000,0000,0000,,オーデンと他の神々は納得させられました Dialogue: 0,0:01:25.87,0:01:28.03,Default,,0000,0000,0000,,そして この大工と話がついたのです Dialogue: 0,0:01:28.03,0:01:31.03,Default,,0000,0000,0000,,壁を完成させるには\Nひと冬の期間しかありませんでした Dialogue: 0,0:01:31.03,0:01:34.42,Default,,0000,0000,0000,,もし夏の始まりの日までに\N一部分でも未完成ならば Dialogue: 0,0:01:34.42,0:01:36.36,Default,,0000,0000,0000,,彼は対価を受けとれません Dialogue: 0,0:01:36.36,0:01:39.95,Default,,0000,0000,0000,,しかも他の者たちの手助けを\N得てはなりませんでした Dialogue: 0,0:01:39.95,0:01:42.63,Default,,0000,0000,0000,,神々は固い誓いのもと\N契約を結びました Dialogue: 0,0:01:42.63,0:01:47.18,Default,,0000,0000,0000,,アスガルドを傷つけないと\Nその石工に誓わせました Dialogue: 0,0:01:47.18,0:01:52.44,Default,,0000,0000,0000,,午前中に見知らぬ者は驚くべき速さで\N土台になるものを掘り始めました Dialogue: 0,0:01:52.44,0:01:57.00,Default,,0000,0000,0000,,そして夕方には山に向かい\N石材を取りに行きました Dialogue: 0,0:01:57.00,0:02:00.33,Default,,0000,0000,0000,,しかし 翌日の朝 \N彼が戻ってくる姿を神々が見かけた時に Dialogue: 0,0:02:00.33,0:02:02.01,Default,,0000,0000,0000,,神々は心配し始めました Dialogue: 0,0:02:02.01,0:02:05.41,Default,,0000,0000,0000,,契約通り 石工を手伝うものは\N誰もいませんでした Dialogue: 0,0:02:05.41,0:02:09.92,Default,,0000,0000,0000,,しかし彼の馬スヴァジルファリが\N地面に深い溝を残すほど Dialogue: 0,0:02:09.92,0:02:13.33,Default,,0000,0000,0000,,大量の石を引きずっていたのです Dialogue: 0,0:02:13.33,0:02:15.06,Default,,0000,0000,0000,,冬が過ぎ去り Dialogue: 0,0:02:15.06,0:02:18.52,Default,,0000,0000,0000,,見知らぬ者は建築を続け\Nスヴァジルファリは引き続けました Dialogue: 0,0:02:18.52,0:02:22.15,Default,,0000,0000,0000,,雪でも 雨でも\N彼らの仕事の進度は遅くなりませんでした Dialogue: 0,0:02:22.15,0:02:27.30,Default,,0000,0000,0000,,夏までわずか3日残すのみでしたが\N壁は高く 頑丈に立っており Dialogue: 0,0:02:27.30,0:02:30.06,Default,,0000,0000,0000,,あとは門を建てれば完成です Dialogue: 0,0:02:30.06,0:02:33.31,Default,,0000,0000,0000,,神々たちは愕然としました Dialogue: 0,0:02:33.31,0:02:35.48,Default,,0000,0000,0000,,肥沃の女神を永遠に失うだけでなく Dialogue: 0,0:02:35.48,0:02:40.58,Default,,0000,0000,0000,,太陽と月なしでは世界は永遠に\N暗闇に包まれることに気付いたのです Dialogue: 0,0:02:40.58,0:02:43.74,Default,,0000,0000,0000,,彼らはなぜこんなバカげた賭けを\Nしたのかと 思いめぐらしてみると Dialogue: 0,0:02:43.74,0:02:47.90,Default,,0000,0000,0000,,ロキと 彼のひどい助言を思い出しました Dialogue: 0,0:02:47.90,0:02:50.95,Default,,0000,0000,0000,,ロキは 突然\N自分が愚かだったことに気付きました Dialogue: 0,0:02:50.95,0:02:55.29,Default,,0000,0000,0000,,大工への対価の支払いを回避する方法を\N見つけなければ Dialogue: 0,0:02:55.29,0:02:59.60,Default,,0000,0000,0000,,想像を絶するほどの苦痛を伴う死に\N至らしめてやると 神々はロキを脅しました Dialogue: 0,0:02:59.60,0:03:03.97,Default,,0000,0000,0000,,するとロキは事態の収拾を図ることを約束し\N走ってその場を離れました Dialogue: 0,0:03:03.97,0:03:05.59,Default,,0000,0000,0000,,外では 夜が更け Dialogue: 0,0:03:05.59,0:03:09.95,Default,,0000,0000,0000,,大工が最後の石材を回収するため\N出発の準備をしていました Dialogue: 0,0:03:09.95,0:03:14.38,Default,,0000,0000,0000,,スヴァジルファリを呼び寄せようとしたとき\N雌馬が野原から現れました Dialogue: 0,0:03:14.38,0:03:17.92,Default,,0000,0000,0000,,スヴァジルファリは\N飼い主を無視するほど美しく Dialogue: 0,0:03:17.92,0:03:19.96,Default,,0000,0000,0000,,手綱を外し逃げ出してしまいました Dialogue: 0,0:03:19.96,0:03:21.68,Default,,0000,0000,0000,,石工は捕まえようとしましたが Dialogue: 0,0:03:21.68,0:03:26.18,Default,,0000,0000,0000,,雌馬が森林の奥に走っていくと\Nスヴァジルファリも後を追ってしまいました Dialogue: 0,0:03:26.18,0:03:27.91,Default,,0000,0000,0000,,見知らぬ者は激怒しました Dialogue: 0,0:03:27.91,0:03:31.18,Default,,0000,0000,0000,,黒幕の背後に神々が控えていると知っており\N大胆にも神々に立ち向かいました Dialogue: 0,0:03:31.18,0:03:33.12,Default,,0000,0000,0000,,彼はもはや温厚な石工ではなく Dialogue: 0,0:03:33.12,0:03:37.55,Default,,0000,0000,0000,,真の姿である\N恐ろしい山の巨人となりました Dialogue: 0,0:03:37.55,0:03:39.37,Default,,0000,0000,0000,,これはひどく過った行為でした Dialogue: 0,0:03:39.37,0:03:41.82,Default,,0000,0000,0000,,トールがアスガルドに\N戻ってきたばかりのところで Dialogue: 0,0:03:41.82,0:03:44.74,Default,,0000,0000,0000,,しかも 神々は 巨人の仕業と知ると Dialogue: 0,0:03:44.74,0:03:46.86,Default,,0000,0000,0000,,誓約を無視しました Dialogue: 0,0:03:46.86,0:03:49.17,Default,,0000,0000,0000,,大工が受け取った唯一の対価で\Nかつ Dialogue: 0,0:03:49.17,0:03:51.49,Default,,0000,0000,0000,,最後に見たものは Dialogue: 0,0:03:51.49,0:03:55.37,Default,,0000,0000,0000,,トールが持っていたミョルニルという\N力強い鎚の一振りでした Dialogue: 0,0:03:55.37,0:03:59.98,Default,,0000,0000,0000,,最後の石材を壁にのせたとき\N神々は自分たちの勝利を祝いました Dialogue: 0,0:03:59.98,0:04:01.96,Default,,0000,0000,0000,,しかし その中にロキはいませんでした Dialogue: 0,0:04:01.96,0:04:05.03,Default,,0000,0000,0000,,数か月経って\Nようやくロキが帰ってきたとき Dialogue: 0,0:04:05.03,0:04:08.62,Default,,0000,0000,0000,,彼は八本脚がある美しい灰色の子馬を\N連れていました Dialogue: 0,0:04:08.62,0:04:12.80,Default,,0000,0000,0000,,その子馬はスレイプニルという\N素晴らしい馬に成長し Dialogue: 0,0:04:12.80,0:04:17.65,Default,,0000,0000,0000,,やがてオーディンが乗り\N風を追い抜くほどの馬になったのです Dialogue: 0,0:04:17.65,0:04:23.33,Default,,0000,0000,0000,,しかし 彼が一体どこからやって来たのかは\Nロキは話したがりませんでした