こんにちは クリス・アンダーソンです TEDインタビューへようこそ 素晴らしいゲストを迎え シーズン4を始める準備をしています しかし今回の話は 新しいシーズンを待つわけにはいきません 今 パンデミック(世界的大流行)が 起こっている最中なのですから 今すぐに話を聞きたいゲストがいます アダム・クチャルスキーさんです 感染症の専門家で パンデミックの数理モデルの 研究をしています ロンドン大学 衛生熱帯医学大学院の 准教授で TEDフェローでもあります (音楽) (本人のTEDトーク)どんな行動が エピデミック(地域的大流行)の 成立に必要か? 人と会話する それとも 密接な身体的接触でしょうか? 感染がどのように拡大して いくのかを理解するため アウトブレイク(突然発生)の前に 集める必要のあるデータとは何か? それを理解するために 私たちは数学的モデルを作成しました (クリス・アンダーソン) 正式名COVID-19 一般には「新型コロナウイルス」 と呼ばれている― ウイルスによる感染症の 世界的流行を理解する上で アダムの考え方はとんでもなく 参考になると思っています 皆さんと一緒に理解を深められるのは 嬉しいことです 質問事項を提案してくれた ツイッター上の皆さんに感謝します この話題は現在皆さんが気になっている ことではないかと思います このエピソードを通して 要所をきっちり押さえた形で このパンデミックの今までの経過と これから予想される展開を考え 私たち皆にできることは 何かを考えたいと思います それでは始めましょう (音楽) アダム TEDインタビューへようこそ (アダム)ありがとうございます (クリス)まずは基本的なことから 始めましょう 今では減ったでしょうが 当初数週間の この疾患への多くの懐疑論者の 反応はこうでした 「何言ってるんだ 大したことではないだろう 患者は比較的少数だし インフルエンザや 他の病気と比較してみろ 世界にはもっと深刻な問題がある 何でこんなに大騒ぎするのか?」 この騒ぎの説明は 最終的には数学であるわけですね 指数関数的増加に関する数学のことを 言っていると 基本的には そうですよね? (アダム)その通りです いかに簡単に感染が拡大するか また どの程度感染しやすい病気を 扱っているのかを表す数字があります 「再生産数」と呼んでいます 概念的には つまり 1人の感染者が 平均何人に感染させるのか? この数値が感染拡大の規模や 感染拡大の速さを示してくれます 現在 我々が目にし 複数の国に広がっている コロナウィルスに関して言うと 1人の感染者あたり 平均で2〜3人に感染します (クリス)この再生産数で まず最初に理解することは 1より大きい数値は全て 拡大を意味しているわけですね 1より下の数値は 感染の減少を意味するのですね (アダム)そうです 1より大きい場合 感染者が何人かいると そこからさらにたくさんの 感染者を生じます 指数関数的増加になるわけです その値が2であれば1サイクルの感染で 患者が倍増するわけです 1未満であれば 平均して減少となるわけです (クリス)2以上の値の場合 誰もが馴染みがあるだろう 有名な問題 チェス盤と米粒の話のように なるんですね チェス盤の次のマスに 2倍の数のコメ粒を置くと 最初の10から15マス目までは 特別なことは起きません ところが最後の64マス目に 到達した時点では 地球にいる人間全員に 何トンも配れる量になるのです (笑) 指数関数的増加はものすごい効果です 現在の小さな数値は 気にかける必要はありませんが 注目が必要なのは モデルが この先どうなるか示していることです (アダム)その通り もちろん指数関数的増加が続けば とてつもなく大きな数値 信じ難いような数値となります ただ 例えば1ヶ月といった 短い期間に限定しても 再生産数が3であれば 1人が平均3人に感染させます 感染サイクルの間隔は 5日ぐらいです そこで今 症例が1例あるとして 5日おきの感染が 1ヶ月の間に6回起きると その月の終わりまでには 初めの1人が生み出すのは たぶん 729人の感染者 そのような計算のはずです 1ヶ月だけであっても この感染の規模は 阻止せずにいると 飛躍的に増加します (クリス)もちろんこれは 現在この数字を見てみると 確かに ウイルスの侵入初期にある国で 起きていることのようですね この再生産数がよく理解できる モデルを紹介されていますが それはウイルスを研究する上で またどう対応し どの程度警戒するかの 基本になるものだと思います あなたの考え方では 基本再生産数を4つの要素に分解します 「DOTS」の4つの要素です 「Duration(持続期間)」 「Opportunities(機会)」 「Transmission probability (伝染確率)」 「Susceptibility(感受性)」 アダム これらを1つずつ 説明していただけると とても助かるのですが 方程式はとても単純で 4つの要素を結びつけて 再生産数を計算するのですから ひとつずつ説明してください 「Duration(持続期間)」とは? (アダム)持続期間とは ある人の感染力の持続期間です 例えば 直観的に言って その人が感染力を持つ期間が 長ければ たとえば他の人の2倍とすると 感染を広められる時間が 2倍長いわけです (クリス)このウイルスの持続期間は 例えばインフルエンザ あるいは他の病原体と比べて どうでしょう (アダム)人々が感染してから 何が起こるかにより 変わる場合があります すぐに隔離されれば 持続期間は短くなります 病院に隔離されるまでの間 実際に感染力があるのは ほぼ1週間と考えています (クリス)そして そのまるまる1週間の間 場合によっては 全く症状がない場合もありますね 誰かが感染すると 潜伏期間があります その期間中のある時点で 感染力を持ち始め さらにある期間を過ぎた時に 症状を現します それぞれが起きる日の 並び方がはっきりしていません そうですよね? (アダム)いいえ その情報は増えています データが示す情報で 初期にも感染が起きているか 予想できるのは 1つの感染から次の感染への 間隔がわかる場合で それは約5日と見られていますが 症状が現れるまでの潜伏期間も やはり5日ぐらいです もし ほとんどの人が 症状が現れている時にだけ 感染力があるとすると 潜伏期間に加えて 他の人に感染する期間が あることになります 潜伏期間と感染間隔値が 似ていることが示唆するのは 何人かは 非常に初期から すでに感染力があるか はっきりと症状が現れる前から 感染力を持っているということです (クリス)それは平均では 症状が出る前と出た後で 同じくらいの期間 感染力を持っているということですね (アダム)可能性はあります もちろん まだ新しいデータですが かなりの数の人が はっきりした症状が 何も出ないか 熱や咳などの はっきりした症状はなく ただ不調を感じている時に ウイルスを排出している ということだと思います (クリス)そこがインフルエンザと 相違する点ですか? (アダム)実はその点は似ているのです インフルエンザのパンデミックを 阻止することが難しく 警戒されているのは 症状がひどくなる前から 感染力が高いためです 病気の診断をされるまでに すでに何人もの人に 感染させているわけです (クリス)そこが難しいところであり 対策が取れない理由です 感染は常に我々の先を行っています 患者の気分や体調だけに 注意を向けられません ところで それは具体的に どう起きますか? 自分自身の症状も出る前から どのようにして 他人に感染させるのですか? 一般的に考えるのは 誰かがくしゃみをする その小滴が空気を通して広がり 誰かが吸い込んで 感染が始まるというものです 感染症状が出る前の段階では 何が起きているのでしょうか? (アダム)このウイルスで見られる 伝染のレベルは はしかなんかとは違っていて 感染者がくしゃみをすると ウイルスが広がり 感受性を持つ多くの人が 曝されうるという感じです 可能性としては初期で 患者には軽い症状しかなくても 少しの咳ぐらいでも ウイルスが排出されるのには十分です そして特に 私たちの研究の中では 密集した集まりに注目し 親密に過ごす食事や スキーロッジでの例を調べました そのような状況でも少人数とはいえ 軽症の人がいることもあり 十分なウィルスが排出され 他人に感染します 感染様式の詳細は検討中ですが 感染が起こるには 十分なウィルス量です (クリス)誰かがまだ軽症の時も 何か症状はないのでしょうか 自覚症状が出る前に すでに何か兆候があるというような 証拠となるものがあるのでは? 今週公開されたドイツの論文では まだごく早期から 喉の奥から採取したサンプル中には 数十万ものウイルスが存在していて すでに増殖が始まっていると 示唆されています すると 普通に呼吸している人がいたとして ある量のウイルスが空気中に放出され そのことに何ら気づくこともなく それがそのまま人を感染させたり 物の表面に付着することは あるでしょうか? (アダム)どれほどのウイルスが 無症状の時に排出されているのか 明確にしようとしているところなんです 言われたように 無症状の人がいて 喉からウイルスが見つかりますから それが吐き出される 可能性はあります ただ それで実際に伝染するのが 相当まれな事象か それとも そんな経路で伝染が 起こる事が多い可能性があるのかどうか データはまだ初期的なもので これはパズルのピースですが 既知の伝染のタイプに関する知見の どこに嵌るピースなのかは 目下の取り組み課題です (クリス)了解です 持続期間(Duration)は 感染力が持続する期間です 5~6日と考えられると言われましたっけ (アダム)1週間ほどかもしれません 感染力を持つ人に何が起きるかに 影響されます (クリス)また 感染してからずっと後でも 検査で陽性である症例もあります そうだとして そういうケースの伝染性は弱いのでしょうか こういう考え方は基本的に 合っていますか? (アダム)それが今の作業仮説で 感染初期に他の人に うつしていると見ています いくつもの呼吸器感染症において 患者が重症になってしまうと 患者の行動は 動き回って日常生活を送っていた時とは 大きく変わります (クリス)では 今の D の数値を他の病気と比べると― 例えばインフルエンザ インフルエンザは似ていますか? インフルエンザのDはいくつですか? (アダム)インフルエンザの方が 感染者が感染力を保持する期間は 少し短いようです インフルエンザでは 短サイクルで ある患者から次の患者へと うつっていきます だいたい3日もすれば ある患者から 次の人にうつされます この尺度で見て対極にあるのが 性感染症で 持続期間が何ヶ月にも わたることがあります (クリス)なるほど ここまでのところ このウイルスは とりわけ異例のものでもありません では機会(Opportunity)を 見てみましょう これは何ですか (アダム)機会とは 患者が感染力を有する間に ウイルスが拡散するような接触の起きる状況が どれぐらいあるかを示す尺度です 典型的には 社会行動を表す指標となります 感染力を有する人からの 伝染の機会となりうるような 社会的な接触が平均何回あるのか (クリス)ある1日のうちに 何人の人と 相手を感染させる可能性が 生じるほどの距離まで 近づくかということですね その大きさは 特に注意を払わず 都市環境で日常を過ごしていたら 何百といった数になったりしませんか? (アダム)そういう人もいるでしょう 近年 その研究もいくつも行われており 身体的接触に関しての平均値は 1日あたり5人です そして会話する程度の接触が 10人ないし15人 ただし 文化によって 挨拶の際の身体的接触の程度には 大きなばらつきがみられます (クリス)おそらく この数値も 他のウイルスに対するものと同様で どういう生活を送っているかということの 特徴を表すでしょう (アダム)この指標(O)については これに影響するのが こういった相互接触であり インフルエンザやその他の 呼吸器感染症において この種の濃厚接触や 日常生活での身体的接触が 伝染において重要なもののようです (クリス)1つだけ 違う点があるかもしれません 症状が出る前に感染力があるなら 機会(O)はもっと増えるでしょう このウイルスの特質として 侵入したことを知らせないので 誰かの中に潜んでいても 感染者は接触したり 仕事に行ったり 地下鉄に乗ったりし続けるのです 自分が病気だと気づきもしないままに (アダム)その通り インフルエンザなどなら 発症したら 明らかに社会的な接触が減ります ウィルスの感染力を有しながら 感染者が日常生活のままに 動き続けるという特性は 伝染しようとするウイルスにとって とても有利にはたらきます (クリス)あなたのモデルでは インフルエンザよりも 大きな機会(O)にしていますか? (アダム)今のところ ほぼ同じ値を使っていて 例えば 集団ごとに違う身体的接触を これから考慮しようとしています 今の段階ではリスクの規模の評価からです だからTという項目の話が 中心になります それぞれの接触ごとに 伝染という事象が発生するリスクは どれほどか (クリス)ではその数値に進みましょう 伝染確率(T)です これはどういう定義になっていますか (アダム)これは確率の指標で 要は ある接触の機会にウイルスが 患者から次の人にうつる確率を表します ある人と会話したとしても 咳もくしゃみもしなかったとか 何らかの理由でウイルスは相手に届かず 相手はウイルスに曝されない場合があります コロナウイルスの場合 例えば1日に10人と会話するとしても 感染者が10人を感染させる わけではありません どうやら全ての機会に ウイルスがうつるという 結果を生じるわけではないことが 示唆されます (クリス)でもこれは伝染性の高い ウイルスだと言われています 伝染確率の数値は どの程度のものでしょうか インフルエンザと比べてどうでしょう (アダム)いくつかの密集した 集まりについて解析をしました 事例研究を10件ほど調べてみると これらのケースでは まだ患者が気づいていない初期ステージで 接触者の約1/3が感染するという 結果になっています 大人数で集まって会食をしたら 参加者は おそらく1/3の確率で うつされている可能性があります 季節性インフルエンザでは この数値は少し低めになり 家庭内などの近接した状況でも そこまで高い確率にはなりません SARS のような病気でも この数値― つまり1回の接触あたりのリスクは コロナウイルスよりは低そうです これは直観と整合し コロナはたちまち広がっていますから 接触におけるリスクも高いはずです (クリス)ふむ では DOTS の4つめ 感受性のSを見てみましょう これは何ですか (アダム)集団の中で感染しうる人の 割合を表します 感染者が誰かと接触し 相手がウイルスに曝されたとしても ワクチンを接種ずみだったり 何らかの免疫を有していれば 感染には至らず 周りも感染させません こういう人の比率を考慮しよう という話です この人たちは患者にはなりません (クリス)ただ このコロナウイルスに対する ワクチンはまだありません そして分かっている限りでは 誰も最初は免疫を持っていません すると 感受性の数値は かなり大きいものとなりますが それも今問題になっていますか? (アダム)現状から見ると 我々は全員が感染しえます そしてある地域で 例えば中国のように 大規模に伝染が広まり 非常に強力な対抗手段を取ったとしても 推定では1月末時点で およそ95%の武漢在住者は 感受性を持っていました それほど感染が拡大しても 感染拡大に影響する DOTS のうちの Sの減少は見られませんでした (クリス)数学のおかげで― こんなに緊迫した状況下でも実は 自分のマニアックな一面は この数学的な美しさにひかれます 感染症をこう扱えるとは 考えもしなかったのです さて 素直にこの数字を掛け合わせると 再生産数が得られる そうですね (アダム)その通りです これらの数字を順に掛けていくことは 伝染の経路を追うことに相当し 得られた値がこのウイルスの 再生産数になります (クリス)これで理屈の全部を見たわけです 感染力を保持している日数があり その感染する可能性がある期間における 1日に会う人数の平均があって それを掛けたものに 伝染確率を乗じます ウイルスが会った相手へと 渡る確率です そしてさらに感受率を掛けます ちなみに 感受率の割合は コロナの場合どう扱っていますか? (アダム)拡散を考える上では 100% とするべきだと思います (クリス)これらの数字を掛けましょう 今の時点で このコロナウイルスについて 確からしい再生産数の値は2から3の間と 言われましたが これはとても急速な拡大を意味しますね (アダム)その通り 突然発生に対して 対応できないと― 幾つかの国がこの状態です その結果は 大変急速な拡大です (クリス)この2から3という数字は インフルエンザと比べてどうですか 季節性インフルエンザは 冬場に流行しますが 他の季節には 再生産数は1より ずっと小さくなるのですね 季節性インフルエンザの 流行時期だといくつぐらいですか? (アダム)インフルエンザの 流行が始まる初期 季節のはじめ頃は 概ね1.2とか 1.4のあたりだと 考えられています 驚くほどの伝染力とは言えません 予防接種などの理由によって 集団にある程度の免疫が あるからでしょう 伝染は拡大するので値は1を越えます 必ずしもコロナウイルスのような 急拡大にはなりません (クリス)DOTSのうち 「機会」と「伝染確率」に 話を戻したいと思います 感染率に関して何かしら人の力が及ぶ 可能性が最も高そうな2要素だからです その前に もう1つの大事な数字に触れておきます それは「致命率」です まず 定義をお願いします 「致命率」には2通りあり 混乱の元だと思うので 教えてください (アダム)よく話に上るのが いわゆる「症例致命率」です 発症した患者の数 つまり症例数に対して その後何人が死亡するかという割合です 一方 これとは別に時々登場するのが 「感染致命率」です 無症状の人も入れた感染者総数に対して その後何人が死亡するかという割合です しかし この2つのうち 私たちが目にする数字は だいたいが症例致命率のほうで CFRとも言われます (クリス)では このウイルスの ここでいう「症例致命率」についてと これもまた 他の病原体と比べて どうなのか教えてください (アダム)いくつか数字が出回っていますが リアルタイムでの問題の1つは 患者の全数を捉えにくいことです 発症していても 報告に上がらない人がいるからです また 遅延も起こります 例えば 仮に 100人のコロナウイルス患者が ある病院を受診し まだ誰も死亡していないとします では致命率ゼロかというと そうとは言えません 時間が経過した後の 様子を見なければなりませんから こういった報告に上がらない数や 時間差の分を計算に入れると 症例致命率の最もありそうな 推定値は約1%です つまり 発症した人のうち平均1%が 最終的に死亡するわけで これは季節性インフルエンザの 10倍の割合です (クリス)インフルエンザで 亡くなる人の数を考えると 恐ろしい数字です 少し前に これより高い3.4%という数字を 発表した世界保健機関は 批判を受けましたが この数字が なぜ誤解を招くのか どう捉えて どう対応したらいいか 教えてください (アダム)非常にありがちなのが このような一次データを見て これまでの症例数と死亡者数から 値を割り出そうとすることです そうやって出てきた数値は 数週間前でも2%ありました ところが 先ほど説明したような 時間差を計算に入れると 症例数がこれ以上増えないとしても 最終的に死亡する人の数は増えていくので 数値がじりじりと上がるわけです インフルエンザが世界的流行した時も エボラ出血熱の時もそうでした こういったことが必ず繰り返されます 何人となく説明してきましたが この数字は必ず増えます 中国で新症例が減って 致命率が増えるように見えますが 統計的に必ず起こる現象なのです ここで変動が見られても 実際には何も変わっていません 突然変異も 何も起きていないのです (クリス)つまり 2種類の現象が 起きていると言えますね 1つは 既存の症例数の中から 死亡件数が増え 前述の3.4%よりも さらに増えるということ 一方で それを 相殺しなければならなくなる というのも おそらく相当な数が 発見されないままであり 検査不備のせいもあり 見つけられていないのです 死亡件数は 判明しているよりも初期患者数が 実はずっと多かったことを示している そういうことですか? (アダム)その通り 片方は数値を吊り上げ もう片方は押し下げています すなわち このような初期の数値に基づき 遅れて出てくる死亡者数だけを含めて 報告に上がらない感染者数を 度外視すると 実に恐ろしい数字が 弾き出されてしまいます 多ければ 20〜30%に 上るかもしれません それは このウイルスについて わかっていることとは かけ離れているわけですが (クリス)なるほど 臨床データが増えた今 あなたから見て 現実的な致命率は 少なくとも感染初期では 2%くらいであるとお考えですか? (アダム)総合的には 0.5〜2%の間のどこかだと 考えられますが これは異なるデータセットを 基にしたもので 含まれるのは発症した患者のみですので 平均すれば1%が妥当だと思います (クリス)1%ですね インフルエンザの致命率として よく出てくるのは 0.1%ですから その5〜10倍の危険性を持つ ウイルスだということですね さらに 年齢層により リスクが上下することも よく知られています 主に 危険なのは高齢者である と (アダム)はい 平均致命率は1%ですが 60代や70代に入ると 途端に 致命率が跳ね上がります 高年齢層の場合 推定致命率は おそらく5〜10%であると 考えられます また 当然ながら それに加え 入院を要する重症者の数も 計算に入れる必要があります こういったリスクは やはり 高齢者だとぐっと高くなります (クリス)ここまでに出てきた数字を 掛け合わせてみていただけますか あなたのモデルに入れる 再生産数は2〜3だとします 致命率は 0.5〜1%だとして シミュレーションをかけたら どんな様子になりますか (アダム)感染が野放し状態だとして 再生産数が2〜3だとすると これに対して何の対策も取らなければ アウトブレイクが終息する唯一の形は 十分な数の国民が感染して 集団免疫を獲得し 集団感染が自然と 消滅するというものです このシナリオだと おびただしい人数が感染する と予測されます これまでのアウトブレイクで 封じ込めできなかった例に倣えば 感染が国じゅうに行き渡り たくさんの人が感染します 前述したような 致命率や入院率であれば これが本当に起こってしまったら 甚大な被害を受けるでしょう 国単位では間違いなくそうです 今だとイタリアが格好の例です 初期の感染者が発見されず 感染が急増し 瞬く間に 医療体制が パンク状態になります 私の見解では このウイルスの 最も嫌な点の1つとして 感染から発症 そして病院に行くまでに 時間がかかるせいで 医療体制がパンク状態な場合 ある日 完全に 伝染がストップしたとしても その時点で既にウイルスに曝された人々が たくさんいるので その後も患者は増え続け 重症化する患者もいる それが数週間続くということです こういう 感染者の巨大な累積と 医療体制にかかる過剰な負荷が このウイルスの恐ろしさです (クリス)ここで もう1つ重要な数字が登場します それは 一国内における 患者の総数に対する 医療体制の受入能力の比を 算出したものです 致命率に大きく影響すると 考えられます 重症化して受診する人々に 対応する余力のある医療体制と 余裕をなくした医療体制とでは 致命率は著しく異なるはずですよね (アダム)ICUのベッドを要する患者は ベッドを数週間 占有することになります その間にも来院患者は増え続けるので あっという間に限界が来ます (クリス)次は 感染の 「封じ込め」と「緩和」の話を したいと思います それぞれ よく耳にしますが 意味が違いますよね ウイルスが蔓延する前の初期の段階では 政府は封じ込めに注力します どういうことでしょうか (アダム)封じ込めとは 感染の制御に関する努力のほとんどを 感染者と その接触者に集中することです それ以外の人々は影響を受けません 感染者が見つかったら隔離し 感染者が接触した人々 つまり ウイルスに曝された 可能性のある人々を突き止め その人たちを追跡調査して さらに感染を広げないよう 検疫します 対象が狭く 狙い撃ち式と言えます SARSの時は非常に効果的でした しかし 今回のCOVID-19の場合 感染者が一部見落とされ 発見されないため 感染の危険がある大きな集団を 把握しなければなりません 少しでも取り逃してしまえば アウトブレイクに繋がる可能性があります (クリス)これまでに この方法でコロナウイルスを 効果的に封じ込めた国はありますか? (アダム)シンガポールの 過去6週間ほどの対応は 実に見事なものでした 国民全体への措置に加えて 感染者が接触した人々の追跡に ものすごく力を入れています 防犯カメラで監視し ある人がどのタクシーに乗ったのか 感染の危険があるのは誰か 徹底的に追跡調査したのが奏功し 過去6週間ほどの間 感染が増えていません (クリス)すごいですね では 誰かが入国して 陽性だと判明したとして シンガポールでは 巨大なチームを動員して 何もかもを洗い出すわけですね どの程度までやるかというと その人が使ったタクシーが わからないなら 調べ上げるところまでやる と そして タクシーの運転手が見つかったら 同じタクシーに乗った乗客を 一人残らず突き止めるわけですか? (アダム)対象になるのは リスクが最も高い濃厚接触者ですが 感染者が網から漏れる可能性を 最小にしようとしているということです (クリス)そんなシンガポールさえ 私の理解が正しければ 一時期は新規感染者が ゼロに向かっていたのに 再び上昇傾向にあるそうですね 今後も封じ込めを維持できるか 見通しはまだ不明です (アダム)その通り 再生産数でいえば おそらく 0.8や0.9程度まで落ち 重要な指標である1を 下回ったようですが 過去1〜2週間は 徐々に上昇傾向にあり 患者が増えてきているようです これはたぶん 現在では封じ込めきれているとしても 世界中でアウトブレイクが広がり 感染が飛び火を続けている状況なので これほど全力を挙げていても 一つ残らず火を消すのは 難しくなる一方だということでしょう (音楽) (クリス)このウイルスについては 感染の拡大が起こっていると 世界のほとんどの国に 警告が発せられました 中国に端を発するニュースは 急速に見通しが暗くなった一方で 人々が備える時間はあったわけです このような状況が 迫っていると分かった場合の 理想的な備えとは 何でしょうか 感染が手に負えなくなる前に 封じ込められるかどうかに 多くが かかっている場合には? (アダム)非常に大きな違いを もたらすことが2点あり ひとつは 可能な限りの 症例の発見とその追跡調査です そうした初期の封じ込めに どれほど効果があるかを モデル分析しました 接触した可能性のある 70~80%の人を 特定することができれば 効果があります しかし 症例を発見しなければ 話は別で 接触者も発見できません 例えば 初期に注目されたのは 多くの場合 中国への渡航歴でした その後 状況が変化しつつあると 分かりましたが 症例の定義として 渡航歴に依拠していたので 本来なら 定義に当てはまったはずの 他の多くのケースが 検査されませんでした リスクがあると 見なされなかったためです (クリス)つまり 初期の発見が 鍵であるなら 初期に必須となる対策は 必要な場所で 十分な数の検査ができるよう 迅速に対応することですね そうすれば 陽性反応が出たらすぐに 行動を起こす準備ができ おそらくは 感染者と接触した人々を すぐに検査するなどして 状況を制御下にとどめることが できるかもしれませんね (アダム)その通りです 私の専門分野では 陰性反応にも意味があるとされます 探していたものが そこにはないことが分かるからです 少人数だけを検査していては 感染を見逃していないことを 自信をもって断定できません しかし 接触者を徹底的に 追跡調査すれば 話は別です 現在 韓国などの国々でも 非常に多くの人が検査されています 新たな発症例も いまだに見られるものの 感染がどこに広がっているか より確信が持てるのです (クリス)現在 あなたはイギリスに 私はアメリカにいます イギリスが封じ込めに成功する可能性と またアメリカが成功する可能性は どれくらいでしょうか? (アダム)どちらの国でも かなり低いと思われます イギリスは何らかの対策を 追加導入する必要があるでしょう いつそれが実現するかは ある程度 状況次第ですが 現時点で検査されたのは 約3万人です 正直に言って アメリカは 封じ込めの段階を過ぎているでしょう 大規模な感染を示す証拠があることや 拡大の規模が 明確に把握できていないこと また検査の規模を考えると アメリカの現状を把握することは かなり困難だと言えます (クリス)あまり政治的な発言は したくないのですが ちょっとお聞きしたいと思います イギリスでは3万人が 検査されたと アメリカの人口は イギリスの5~6倍ですが アメリカでの検査総数は 確か数日前の時点で 5,000~6,000でした 奇妙だと思われませんか? わからないんです 教育が行き届き 感染症の知識も十分な国で なぜこのような事態に なっているのでしょう? (アダム)確かに奇妙です もちろん 試薬の調達など いくつかの要因が 絡んでいると思いますが このような脅威が 国内に入りつつあると 警告段階があったわけです そうした初期段階で 可能な限りの検出ができるような 対応能力を各国は 準備しておく必要があります 初期に検出できてこそ 封じ込めに成功する可能性が 高くなるのです (クリス)それで封じ込めできなければ 何らかの緩和策に 移行しなければなりませんね どういったことが それに影響しますか? そこで 先程話題に挙がった DOTS のうち 2つの要素に話を戻してみます 機会(O)と伝染確率(T)です コロナウイルスの性質は 変えようがありませんから ある人が感染力を保持している 実際の期間については どうしようもありません 感受性についても ワクチンが開発されるまで できることは少ないです これについては 後でお伺いしましょう しかし 機会と伝染確率の 2つについては できることがあります それぞれについて 少しお話しくださいますか 何ができるのかと 緩和策の立て方について 教えてください まず最初に 機会についてですが どうやって 感染を拡大させる機会を 減らせますか? (アダム)その点については 人々の社会的な接触を 大きく変えることになります 現在2や3である 基本再生産数を今後 1未満にしようとするなら その状態に達するためには 伝染に関する何らかの側面を 半分とか3分の1に 引き下げねばなりません そのためには 感染を広める機会になる 他人との濃厚接触について すべての人に たとえば3分の1程度に 減らしてもらい 拡大を抑えます 在宅勤務をするとか ライフスタイルを変えたり 人込みやレストランに 行くことを避けるなどです こうした対策に加えて 学校の休校措置など とにかく 人々の 社会的な接触を 減らすことが重要です (クリス)休校措置について もう少しお聞きします というのも 確か 過去にあった感染症のパンデミックでは 休校は絶対的に重要な対策でした 学校は人々が集まる場所の代表格であり 多くの場合 子どもたちは インフルエンザや風邪においては キャリア(媒介者)です しかし 今回は 子どもたちはコロナウイルスで 具合が悪くならないか 少なくとも 発症例はわずかです それでも 子どもたちは 感染力があるのでしょうか? 知らずに媒介することは ありますか? あるいは 休校措置は 他のパンデミックの時ほど 重要でないかもしれないという 裏付けはあるのでしょうか? (アダム)子どもが どんな役割を果たすかは とても重要ですが 十分なデータは 得られていません 発症者との接触者の追跡調査から 子どもたちも感染しているという 証拠があります 検査によると 子どもも曝露されています どういうわけか 子どもは まったく感染しないというのではなく おっしゃるように 同じようには症状が出ないのです ことインフルエンザに関しては 休校が持ちうる効果が観察されています 2009年のイギリスでの 豚インフルエンザでも 学校が休みの時期に 突然発生が減少し 流行曲線を見てみると 夏に減少して 再び秋に増加したのです もちろん 2009年には より上の年代で免疫が見られ そのために年少児童の間で 感染が進んだこともあります ですから 現在解明しようと 取り組んでいる課題だといえます もちろん 休校すれば 接触は減りますが その分 他の社会的な接触のあり方が 連鎖的に影響を受けて 変わる可能性があります 両親が働いていれば 祖父母が保護者の役割をすることも あるでしょう ですから 様々な側面を 考え合わせる必要があります (クリス)これまでにご自身で ご覧になったデータに基づいて もし判断が委ねられたら 現時点で ほとんどの国で 予防策として 長期的な休校措置を 検討することを勧めますか? いくら辛い決断であっても 2ヶ月~5ヶ月ほど 休校する価値があるでしょうか? どんな提言をしますか? (アダム)重要なのは 年代別のリスクと 高齢者における重症化を考慮すると やはり高齢者の感染を招くような 接触を減らすことです その他の人々の間でも できる限り 接触を減らすべきでしょう 大切なのは 60歳以上の年代で重症化が 非常に多く見られるので とにかく誰もが すべての人との接触を 避けるというのではなく とりわけ高齢者の感染を招く行動を 慎むということだと思います (クリス)それは家族と面会しに 老人ホームなどの施設を訪れる際にも 非常に慎重になった方がいい ということでしょうか? そのような場合には 細心の注意を払うべきだし こうした施設はすべて 誰を入れるかを 慎重に決め 体温を測ったり 症状の有無を 調べたりするということですか? (アダム)そういった対策は 絶対に検討すべきでしょう イギリスでは高齢者に 「コクーン(繭)戦略」として 知られているものの 導入を検討しています 感染をもたらしうる人々から 高齢者たちを 可能な限り 隔離するように努めるというものです 究極的には おっしゃる通り 感染の他の側面は 防ぎようがないので 高齢者がウイルスに曝されるリスクを 減らすしかありません 個人レベルでのリスクを 減らすために できることがあるとすれば 高齢者であれ 他の高リスクグループであれ 接触を減らすのが肝要です より一般的なレベルで言えば 全体的な接触を減らすために より大規模な対策が役立つでしょうが 全体的な接触が減っても 重症化しうる人々への リスクが減らないのであれば とにかく高齢者を守るという 非常に大きな責務が生じます (クリス)この流行について考える際に 2つの視点から考える必要が あると言えるでしょうか? 生活を送る中で 自分自身が感染するという リスクがあります しかし 気づかないうちに 自分よりも重症化するような人々に 感染をもたらす媒介者になる リスクもあるわけですね この両方を常に念頭に置く 必要がありますね (アダム)ええ 誰と 握手するかだけでなく その人が次に誰と握手するかという― 二次的なことまで 考える必要があります 自分は若くてリスクが低くても 罹ったら重体化する可能性のある人と すぐそばで繋がっているかもしれません 社会全体のことを考える必要があり 行動面においては 大きな変化かもしれませんが 私たちが直面している問題の 影響を減らすには 必要なことです (クリス)機会(O)については 他人との身体的接触の回数を 減らすことで 減らせるということでした では 伝染確率(T)については どのようにして減らせますか? 接触の仕方が変わると思うのです 握手が例に挙がりましたが 握手はやめた方がいいと いうことですか? (アダム)はい そのような変化です もう1点付け加えると 手洗いについては これまでと同じ日常的な活動を 今後も継続するとしても 手を洗うことで ある接触から他へと 感染を広げるのを防ぎます こうした対策はすべて ウイルスに曝されたとしても 感染しないよう 追加の予防措置として 取り入れられます (クリス)それでも ほとんどの人は このウイルスの広がり方について 十分には理解していないか 明確なモデルを持っていないと思います 誰かが咳やくしゃみをしたとき その飛沫を吸い込んでいけないのは 皆 理解しているはずです ではウイルスは どう広がるのでしょうか? 物の表面に付着しますが どのようにでしょう? 感染した人々が息を吐き 口やいろいろなところに触れてから 物に触ることで 移動するのでしょうか? 実際どのように物体に 付着するのでしょう? (アダム)多くの場合 咳をする時 手で覆うことで 付着するのだと思います ただ 難しいのは どう伝染していくのかを 解明することです 家庭内の伝染なら 誰かの咳でウイルスが 物に付着したのか 直接 触れたのか 握手なのかを明らかにします インフルエンザなどでも 社会的な行動と感染リスクが どんな関係になっているのかを 解明するために 相当な努力をしています 重要なのは 明らかですが 特定するのはかなりの難題ですから (クリス)そういうことは まだ わかっていないことも多くて 確率を基に考えるしかないという事実を 受け入れる必要がありそうですね だからこそ 数学が重要に なるんだと思うんです この流行は 掛け合わされる 4つの数それぞれが役割を担い 総合されるものと 見なすべきです そして どの数字でも 1パーセントでも下げられれば 自分だけでなく 誰にとっても 助けになるのです 人々は 数字同士の関係について 細かい点はわからなくても どれも重要な数字だと わかっています 人々には 不確実な状況を受け入れ できることをすべてやることで ある程度 納得してもらう 必要がありますね (アダム)それは 例えば 自分が平均3人を 感染させているとして 原因がどこにあり その数を どう減らすかという 発想だと思います 手を洗ったら 握手をした時の感染を どれだけ減らせるかとか 以前 感染した可能性はあっても もう大丈夫という場合 自分の社会行動を 何らかの形で変えたら 接触をいくらか減らせるかとか 半分にできるかという話です どうしたら その数字を 可能な限り減らせるかということです (クリス)私たちが 接触による伝染確率を どうやったら減らせるか 他にアドバイスはありますか? 例えば どのくらい 他の人と距離を置くのが いいのか とか? (アダム)突き止めるのは 難しいとは思いますが これがエアロゾルになって遠くに達するという 証拠は多くないという点は 念頭に置く必要があると思います 届くのは比較的 短い距離でしょう 他の人から 数メートル離れて座っていて ウイルスがその距離を超えてくることは 考えにくいと思います 感染するのは より接近した場合で だから食事の場面や 密集した集団で 伝染の事例が これほど多く見られるのです そういう場所で ウイルスが放出され 物の表面や 手や顔に付くことを考えると そういう状況のことを もっと気にかけるべきです (クリス)すると 人々が恐れていることのいくつかは 誇張されているかもしれません 例えば 飛行機で 中央付近の席に座っていて 前方席の人がくしゃみをしても— もちろん 気にはなりますが— 恐れおののくほどのことでは ないということですね 自分の健康を守る もっと賢い方法がたくさんあると (アダム)そうです はしかの場合 搭乗していた人に免疫がなければ その後 感染例は増えるでしょう 今回は 平均すると1人から 2〜3人が感染しますが あなたが1週間に 50人と接触したからといって 全員にリスクがある訳ではありません そのうち何人か 特に伝染が起こるような 濃厚接触をした人には 感染のリスクがあるでしょう (クリス)では 少し 国家戦略の点から 話を進めましょう よく耳にするのは 「流行曲線のピークを下げる」ということです どういう意味でしょう? (アダム)医療機関にとって 一度に大量の患者が現れるのはまずいという 考え方を指していると思います もし 何の対策もとらず 現状の感染拡大の割合で 病気が広がるのを放置したら 場所によっては たぶん 感染者が3〜4日で倍増します 3〜4日ごとに倍になるのです 感染は急激に拡大し 最終的には 病院での 治療が必要な重症患者が 同時に発生して 対処しきれなくなるでしょう 流行曲線のピークを下げるという考え方は もし伝染を遅らせ 再生産数を抑えることができれば 流行が起こったとしても 患者数の増加はなだらかになり 長期間に渡るので 同時に現れる 重篤な患者は少なくなり 必要な医療を受けられるように なるということです (クリス)それは症例の総数が 少なくなるということでしょうか? 曲線をなだらかにするとは どういうことかを表す 実際のグラフを見ると 曲線の下の面積は同じに見えます つまり 最終的には 感染者の数は同じになり そうなるまでの時間が 長くなるだけだと 典型的に起きるのは そういうことなんでしょうか 社会的距離をとったり 手を洗ったりという あらゆることをやったとしても 望めるのはせいぜい 感染拡大を遅らせるだけで 最終的に感染者数は同じになる ということでしょうか? (アダム)そうとは限りません どんな手段を取るかによります 旅行の制限のような 手段もありますが これは 普通 流行を抑えるのではなく 遅らせます ですから 流行の発生数は同じでも 期間が延びるのです ただ 別の手段もあります もし接触する機会を減らして 再生産数が少なくなれば 症例の総数は少なくなるでしょう やがて集団の中で 人々は免疫を獲得し 助かるかもしれません 他所で進行していることと並行して 4つの要素のうち 感受性(S)を下げるのです ですから 両方が共に 機能することを願っています (クリス)どのように収束していきそうか 教えていただけますか 中国を例にとりましょう 初期のデータの隠蔽などは どう考えても 正確なデータ収集にはかなり問題です 国内で極めて広い地域を封鎖するといった 徹底した対応が1月頃に始まりましたが これには効果があったようです 症例数の減少は ある意味 衝撃的なほどです ほぼゼロになったのですから でも これは理解できません 人口およそ14億人の国ですよ 症例はとてつもなく多かったですが 病気にかかった人の割合は 全人口のほんの一部です それなのに 数は激減しているんです 中国では 患者以外 全員が 免疫を獲得したなんて ありえません これは 中国が 感染地域からの移動を 徹底的に統制し 少しでも感染の徴候が 見られる場合の検査を 大幅に増やしてきた結果 国土の大半で 再び封じ込め状態に 戻っているということでしょうか? どうも理解できないので 教えていただけますか (アダム)我々の推定では 対策が実施された 1月後半の2週間に 再生産数は 2.4から1.1になりました つまり1〜2週間で 伝染が6割ほど減少しています これはすごいことで その大部分は 根本的な社会行動の変化と 大規模な社会的距離戦略 徹底的な追跡調査と 検査によるものである可能性が高いです そして 再生産数を下げるのに 十分なところまでこぎつけ 感染者を減らしています 現在は多くの地域で このような封じ込め状態に 戻っています 症例が少なければ 対処しやすくなりますから ただ 中国も 壁にぶつかっているようです これらの街の多くは すでに6週間も 封鎖が続いていますが 封鎖できる期間には 限界があるからです ですから こういう対応の一部は 順次 解除され始めています 当然 それによって 他国で発生した感染者が入ってきて 再び伝染を引き起こす リスクが生じます (クリス)でも このウイルスの 感染力の強さや 数ある理論的感染経路 そして 封鎖中 または封鎖に近い状態が 保たれている武漢市民 あるいは 感染が何件か確認された他の場所と 国内の他の地域に住む人々の間にある 接点の多さを考えると 感染者数を示す曲線が これほど早く ほぼゼロに近づいたことに驚きませんか? (アダム)そうですね はじめは 新規発症数が 数日間 頭打ちになったのを見て 検査能力が限界に 達したのではないかと疑いました 手持ちの検査キットを全部使った 報告数が1日千件なのかと ところが 幸いこの状況は続き あそこまで介入すれば 事態を好転させられることが わかってきました 重要なのは 中国での介入が 別の環境で効果があるか確認することです 現在イタリアは かなり大胆な 介入を実施しています ただ 当然 時間差がありますから 今日 介入したとしても 1〜2週間は感染に対する効果が 見えてこないかもしれません だから どんな効果だったのか 見極めることが 他の国で封じ込める方法を 考える時の 鍵になるでしょう (クリス)イメージできるよう 今後1~2ヶ月に 起こり得るシナリオを いくつか聞かせて もらえますか? (アダム)楽観的なシナリオとしては 不幸にも大きな打撃を受けた イタリアのような場所から 多くのことを学ぶということで 各国がそれを深刻に受け止め 圧倒されるような 感染拡大に陥らず 感染の広がりを十分に 遅らせることができ 多くの患者が出て 重症者も多く 出たとしても どうにか手に負える 状況になるというのが 楽観的なシナリオです 各国が深刻に受け止めなかったり 人々がちゃんと 対策を取らなかったり 感染が気づかれなかったりした場合に 陥る状況は― おそらくはイランが 現在それに近い状況でしょうが― 感染が大きく広がり 対応を取ったときには すでに病気が社会の衛生状況に すっかり入り込んでいて 多くの患者や重症者という形で 現れるというものです まだそうなっていないことを 望みますが 現在10か国ほどが イタリアと同じ道を 辿っている可能性があります 今後数週間で起きることが 非常に重要です (クリス)少なからぬ国で 今年 季節性インフルエンザよりも ずっと多くの死者が コロナウイルスのために出るというのは ありそうなことでしょうか? (アダム)国によっては そうなる可能性大でしょう コントロールできない場合には― 中国は抑え込みましたが あれほどの介入というのは 前代未聞のものでした 社会のあり方を 本当に変えてしまいます 人との関わりを あそこまで減らすというのは 多くの人が歓迎しないことでしょう 多くの国では できないことだと思います (クリス)民主主義に対する挑戦ですね 「ああいう厳格な統制なしに 何ができるのか見せてみろ あんなのは嫌だと言うなら 市民諸君 見せてほしい 君たちには知恵と自制力があり こんなウイルスごとき 出し抜けるということを」 (アダム)まったく (クリス)私はあまり 楽観的ではありません 矛盾した情報が 様々なところから来ているし 人は短期的な犠牲を 好まないものです メディアは助けになっているのか あるいはその逆か どう ご覧になっていますか? 大げさに不安をあおり 人々を少しパニックにさせることが 役に立つ面もあるのでしょうか? (アダム)バランスを見つけるのが 難しいところです 早い段階で 患者が出てもいず 潜在的な危険を示す 証拠もないなら 誇張したメッセージを伝えても 深刻に受け止めてもらうのは難しいでしょう しかし長く待ちすぎて まだ心配することはないと 言っていたら 皆 ただの流感だと思い そうすると流行が拡大した時 医療機関が何週間も パンク状態になって そこで手を打とうにも すでに広まっていて遅すぎます そこには微妙な線があるわけですが いまやイタリアのような 分かりやすい例があるので 深刻に受け止めなければどうなるか 皆 理解するでしょう 私が見てきた病気の中で また私より年配の同僚で 他の病気の流行の記憶がある人たちも その潜在的な影響という点で 最も恐ろしいものと考えていて そういう対応をする必要が あると思います (クリス)これまでに見た 最も恐ろしい病気ですか あらら ツイッターでいくつか 質問が来ています このトピックについては 皆 よく勉強しているようですが― 理論的に言って 皆が3週間 家に閉じ籠っていれば この病気はなくなるのでしょうか? この問題から社会的に距離を置く 方法というのはありますか? (アダム)小家族構成の国では そう思います イギリスやアメリカの平均は 2.5人とかでしょうが 家庭内で感染はあったとしても 払拭できるでしょう 副次的な利点として 他の感染症も 何種類か払拭できます はしかは人間の間でしか うつらないので 波及効果があります もちろん可能ならの話ですが (クリス)当然経済に 大きな打撃があるでしょう ここで基本的な問題は 公共政策を 経済状態と ウイルスとの戦いの両方に 最適化はできない ということです この2つは衝突します 少なくとも短期的な経済と ウイルスとの戦いはそうです この2つは衝突しますよね? 社会は一方を選ぶ必要があります (アダム)バランスを取るのは難しいです 病気の世界的流行への備えで いつも言うのは これを今やれば安く済むが やらなければ後で高くつく ということです あいにく早い段階での対策費は あまりありませんでした 皆が喜んでお金を出すのは 大きな影響が出て 高くつくようになってからです (クリス)ツイッターから別の質問です 今後 気温が上がれば COVID-19の広がりは 遅くなるのでしょうか? (アダム)気温に対する はっきりしたパターンを示す 明確な証拠というのは 目にしていません 他の病気では季節的なパターンが 見られることもありますが ほうぼうで急な流行が進む中で その識別が難しいというのが 本当のところです 他の要因もあります ある国で 他の国のような流行が 起きていなかったとしても それは取り組み方や 社会的な行動の違いや 偶然的な要素のため かもしれません 暖かくなって消えるなら ありがたいですが そうだとは まだ言えません (クリス)またツイッターからですが 各国の対応として推奨される 世界共通のことというのは ありますか? ないとしたら なぜか? (アダム)まず何が有効なのか 情報を集めているところ だと思います 強い介入によって制御できるようだと わかったのも この2~3週間のことです ただ すべての国が中国と同じように できるわけではなく その手立ての中には 社会的・経済的・心理的に 大きな負担を 人々に強いるものもあります また時間的な限界もあります 中国では6週間封鎖しましたが 簡単なことではなく トレードオフを考える 必要があります― 人々に求めうることは何で 負担を減らす上で 最も有効なことは何なのか (クリス)別の質問です どうしてこれは起きたのか? 将来また起きるのか? (アダム)元々コウモリに 感染するウイルスが どうやってか人にも感染するように なったもののようです 断片的な証拠が いろいろありますが はっきりした一つの筋書きというのは まだわかりません SARSのときも 何が起きたのか ウイルスのゲノム解析により 正確な経路を繋ぎ合わせるには 何年もかかりました 今後また起きるだろうことは 確かです 自然界はこういうウイルスを 絶えず送ってよこします 多くは人間には適合せず 罹らないだけです こういうウイルスは 何年か前に出てきたけれど 他の人と接触のない人に 感染しただけで 広まらなかったというのも ありそうなことです こういう問題に また直面するでしょうが どうすれば今のようになる前に 症例が少なく 封じ込められる早い段階で 対応することができるか 考える必要があります (クリス)どうやらウイルスが 野生動物肉市場のような所から姿を現すのは 今回が初めてではないようです 映画ではよくあることですが(笑) 今回 中国はすでに いくつかの策を講じて これを厳しく取り締まろうとしています 適切に これが続けられれば 将来のために 非常に役立つように思います (アダム)そうですね 例えば H7N9鳥インフルエンザが 過去数年 流行しました 2013年には 大問題になりつつあったわけですが 中国は非常に徹底的に 市場の運営方法を変え 鳥にワクチンを接種して この脅威を取り除いたようです こういった手立ては有効かもしれませんが それには早期の認識が必要です (クリス)ワクチンの話ですが これは鍵となる手立てだと思うんです あなたの方程式における 感受性の要因を変化させますからね ワクチンの開発競争が起きていて 候補となるワクチンは いくつか挙がっています この動向をどう見ていますか? (アダム)開発状況には期待できると 私は考えていますが 時間的枠組みで見ると 広く入手可能になるのは 1年や1年半程度 先でしょう ワクチンには何段階かの試験が必要で 時間がかかります 年末までに実現したとしても かなりの時間です 使用可能で有効なものが手にできても あらゆる人に行き渡るのは 遅くなってしまうでしょう (クリス)私には不思議に思えるんですが これについても数学者のあなたに ぜひお尋ねしたいんです すでに複数の企業が 有力なワクチン候補を 手にしていると 主張しています あなたがおっしゃるように 試験の過程は途方もない時間がかかります 治験が完了してはじめて 安全性が確認されたとして市場に出す この考え方が正しいとは 言えない場合もあるのでは? 新しい薬剤などを導入する時には 確かに重要ですが 副作用が何もないか 確認したくても 長い時間を費やさないと 対照試験やら何やらをすべて 終えることができません 今回のように 世界の緊急事態では これは適切ではなく 数学的にも そして倫理的にも 別のやり方が あるべきではないでしょうか そこで立てるべき問いは 「このワクチンが有害に働く場合が ありうるだろうか?」ではなく こうあるべきではないでしょうか 「総体的な確率を考えて この流行を小規模に抑えるために 通常の承認を受けていないワクチンの 大規模使用を行う場合があるのではないか?」 このような考えだと 何が見逃されていますか? (アダム)そう考える場合も 確かにあります 例えば 2015年の エボラ出血熱のワクチンは 数ヶ月もしないうちに 非常に有望な証拠が得られ 人間における治験の中間結果では 非常に高い有効性が見られました 十分に認可されていない段階でも このワクチンは「人道的使用」として 後のアウトブレイクで使われました このようなやり方で ワクチンが迅速に使用できるよう 進める仕組みは存在します でも当然ながら 現状では 例のワクチン候補の効果は 皆目わかりません ですから効果を実証する十分な証拠を そろえることが必要だと思います ただ できるだけ迅速に進めることです (クリス)私は懐疑的なところがあって 完全には納得していません 理解できていないのは なぜこのことを もっと大胆に 考えようとしないのかです こんな危機的状況にもかかわらず 誰もがこれに関する対応では ことごとく リスクを避けようとします (アダム)注意すべきなのは これには疑問が多く 唱えられてもいることです その中には ちょっと専門外のものも 含まれているのですが 時間短縮のためには もっとすべきことがあると 私も思います いつも引き合いに出す例ですが 季節性インフルエンザ株を選択し ワクチンを市場に出すまで 6ヶ月かかります どの株が蔓延しそうかは いつも予測に頼らざるを得ません 私たちが作り方をよく知っていて 長年の製造実績を持つ物でさえ こんな風です 明らかに 時間短縮のためには もっとすべきことがあります でも安全性とのバランスが 必要だと思います とくに多数の人々に 通常の認可過程を経ないワクチンを使う場合 安全性と もたらしうる利益を 確固としたものにする上ではです (クリス)では 最後に 今回の問題に関して― 時期を同じくして 世界中で また別の「感染」が起きています 今回の問題に関する アイデアや コミュニケーションのことです ウイルスと情報という2つの「感染」は 非常に動的で相互的なシステムです かなり有害な情報も流布しています これは信頼できる知識や手立てと ウイルスや 不正確な情報との間の戦いだと 考えてもいいのでしょうか? ここで考えねばならないことは ある情報は抑え ある情報はもっと広げる いやそれどころか 何倍も迅速に周知する方法です これはどう考えるべきですか? (アダム)注意を引くための競争だと 考えてもいいでしょう 病気でも同じようなもので 感受性のあるホストへの感染を ウイルスが競っていますね 今起きているのは こういうことでしょう ここ何年かにわたり フェイクニュースや誤情報が現れ 啓発の高まりというか それより先に進んで 様々な状態にある人々が 誤情報に影響されにくくする方法や 適切な情報で先手を打つ方法を 考える方向に動きつつあります アウトブレイクにおける課題は 最初のうちは 良質の情報が ほぼないことであって 自信満々にもっともらしく情報を発信すれば いとも容易に 世論を席巻できてしまいます それも問題です いくつかのニュースサイトは 多くの人がもっと早く 良質な情報に 触れられるよう取り組んでいます それ以外の情報から人々を これで守ることができるでしょう (クリス)向こう1年を考えたとき 特に わからないのですが― 例えば今年は まだまだ何週間にもわたって 多くの人たちが 自己隔離をしながら 過ごすことになります それでもできる仕事に就いている 幸運な人もいます 在宅勤務ですね ここで この状況には 大変な不公平があります 在宅勤務で生計を立て続けることが 不可能な人も 非常に多いわけで 向こう1年 このことは 大問題になるのでは? もし在宅勤務が不可能な人たちの死亡率が 在宅勤務可能な人たちよりも ずっと高くなったりしたら? とくにアメリカのように 在宅勤務のできない人たちが 適切な医療保険に加入していなかったら? これがまさに問題で 大きな議論に発展する可能性があり そういう事情が変化する 原動力になればいいなと思います (アダム)これは紛れもなく 重要な点だと思います 言うのは非常に簡単なことで― 私もリモートワークが 簡単にできる仕事ですし 社会的な接触をストップすべきだと 言うのは非常に簡単です でも もちろんこれは 人々の選択や 日常の慣行に 大きな影響を及ぼしかねません きちんと説明がなされることが 必要だと思います 現在および今後数ヶ月の間に どんな影響が及びそうかについてです (クリス)詰まるところ 世界は過去に もっと深刻な問題に 直面してきたのだから どのみちきっと 例えば向こう1年半の どこかの時点で ワクチンが開発され 広く行き渡り この問題への他の手立てについて 多くを学ぶという結果になりそうでしょうか? どこかの時点で― おそらく来年とか― 世界はこれをうまく抑えて 先に進めるという そういうふうになりそうでしょうか? それとも 抑え込めずに インフルエンザよりも遥かに 多くの人々の命を毎年奪い続けるという そんなひどい悪夢が 現実になるのでしょうか? この先どんなことになりそうでしょうか? もう少しだけ長いスパンでは どう思われますか? (アダム)現状から見て 考えられる道筋は いくつかありそうです 最もありそうなのは おそらく 今年 非常に急速な拡大が見られ 大きなアウトブレイクが 何度も起きること 再発するとは限りませんが でも 可能性としては アウトブレイクが 各地で 何年かにわたり 繰り返されることも考えられます でも私が思うには 大部分の伝染は 向こう1年ほどに集中するでしょう そしてワクチンが入手可能になれば この事態を乗り越え また 次に生かせる教訓も得られるでしょう 今回 非常に強い対応をしている 多くの国は SARSで大打撃を受けた所です シンガポールや香港は その影響を強く受けており それで これらの国は その経験を重々 参考にしながら 今回 対応しているのでしょう (クリス)なるほど まとめとして 皆さんに促したいのは 数式に当てはめて 考えてみることです とくに「機会」と「伝染確率」という 自分で変えうる要因についてです 皆さんにしてほしい とくに重要なことについて もう一度 話してもらえますか (アダム)個人のレベルでは 交流や感染リスクのことを もっと考えてください 手に付着したものが 顔に付着して 他人にリスクを及ぼしかねないのです また交流の点では 握手や不要な接触にも 注意してください できるだけ減らせるよう 考えてみてください 1人から2~3人に伝染するとして その数を1人に下げるために 自分の行動を考えてみてください それから 大規模な介入も必要でしょう 集会や大規模な会議など ほかにも多くの機会で 伝染は起こります そして個人的なレベルの対策を いくつか組み合わせることで もしあなたが発症したり 発症の可能性があったりする場合に リスクを減らしてくれます また 皆で協力して取り組むことで 制御不能の状態が続いた場合に 甚大な影響を受ける人を 感染から守ることができます (クリス)ええ その通りで ちょっとばかり我慢を求められる事柄が たくさんあるようです それらの良い側面を 新たに見いだしてみる というのも いいかもしれません ありがとうございました 今後も お話を聞きたい方は ツイッターでフォローもできます ハンドルネームは? (アダム)@AdamJKucharski です (クリス)今日はありがとうございました 体にお気をつけて (アダム)ありがとう (音楽) (クリス)大学院准教授でTEDフェローの アダム・クチャルスキーでした この特別回の感想を ぜひお聞かせください Apple Podcastで 評価やレビューをお願いします お好みの他のアプリでも結構です レビューはとても参考に させてもらっています 1つ1つ読ませていただき フィードバックに心から 感謝しています (音楽) 今週のプロデューサーは Transmitter Mediaのダン・オドネル 制作責任者は ロクサンヌ・ハイ・ラッシュ ファクトチェックは ニコール・ボーディ 今回の編集は サム・ベア テーマ音楽は アリソン・レイトン=ブラウン 同僚のミシェル・クウィントにも ご協力いただきました TEDインタビューをお聞きくださって ありがとう 春にまた新シリーズを始めますが それにふさわしい 知性あふれるゲストと 話を深く掘り下げていきます 生活が正常化していても いなくても 楽しんでいただけたらと思います クリス・アンダーソンでした ありがとうございました 体に気をつけて!