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くり下がりのやり方ではなく、くり下がりのしくみについて紹介しよう。
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これはとても大切だと思う。
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算数が得意だという人も、学校を卒業した人も、
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くり下がりのしくみは未だによく知らないからだ。
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この授業でしっかりと取り組んでいこう。
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たとえば、こんな引き算の問題。
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1,000、これは0だな。
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1,005 引く 616。
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同じ問題を少し違う方法で
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書いてみようと思う。
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それぞれの位に分けていくやり方だよ。
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1,005 …これからそれぞれの位を
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それぞれの位置に合うように分けていくよ。
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そう、これは 1,000 足す、百の位は 0、
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足す 十の位は 0、足す 5。
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1,005 は、1,000 足す 0 足す 0 足す 5。
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次は引く方の 616。
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600 を引いて、10を引いて、6を引く。
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616 は 600+10+6 と書くことができる。
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ここに引き算記号をつけよう。
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これを全部引かないといけないからね。
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さあ問題を解いていこう。
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さて、くり下がりの方法を知っているなら、この 5 は
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この 6 よりも小さい。だから何とかして 5 を大きい数字にしなきゃいけない。
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6 を引けるようにね。
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さて、今までのくり下がりのやり方では、
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どこかから 1 を持ってきて、5 を 15 にする。
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でもここでよく知っておきたいのは、その 1 についてだ。
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10 はどこから取ってくるのかということだ。
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この 5 を 15 にするときに、実際には
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10 を足さないといけないからね。
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最初の数字を見てみよう。
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10 を取ってこれるのはここくらいだね。1,000 のところ。
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でも、これは千の位だから、
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ここから 10 を取ってくる代わりに、
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とってもめんどうくさいんだけど、
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ここから 1,000 を借りてこよう。
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この 1,000 を分けていくよ。
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この 1,000 から取ってきた 1,000 を
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これからこのように
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3 つに分けるよ。
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百の位、十の位、一の位。
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さあ、ここで 10 がいるから、10 をここに置こう。
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すると、10 足す 5 は 15 だね。
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よし 15 になったぞ。
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1,000 から 10 を取ってきたから、990 が残っている。
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だから 900 をここに、90 をここに置こうね。
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思い出して。さっき 1,000 を取ってきてここに書き直した。
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900+90+10 と書いたね。
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そしてこの 5 に 10 を足した。
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そうすると、この引き算を普通の問題と
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同じように解ける。
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15 引く 6 は 9。
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90 引く 10 は 80。
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900 引く 600 は 300。
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だから、300 足す 80 足す 9 で、389 だ。
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では、今までのやり方を見てみよう。
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同じ方法で見てみるとどうなるかな。
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僕が教えた方法が、今までのくり下がりの教え方に
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当てはまるどうか。よし。
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この 5 を 15 にする必要がある。
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だから 1 をどこかから持ってこないといけない。
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そう、これがこっち側での問題だったね。
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実際はどこから 10 を持ってくるのか。15 にしないといけないから。
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1 を持ってくるとして、では
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0 から 1 を持ってこれるかな。
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できない。
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ではこの 0 から 1 を持ってこれるかな。
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できない。
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ここからなら 1 を持ってこれるね。でも、ここでは
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100 から持ってくるんだ。いいかい。
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だから 100 引く 1 は 99。
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これがやり方だよ。
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それから、15 引く 6 は 9。
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9 引く 1 は 8。
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9 引く 6 は 3。
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いまやった方法はとても速くできるね。それに
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簡単だと思う。みんなはこう言うんじゃないかな。
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これはちょっとした魔法だよってね。
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5 を取ってきて、1 をその上に乗せて、
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この 100 から 1 を持ってくるんだ。
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でも実際にやっているのは、右で説明したとおりだ。
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1,000 をこの 1 から持ってきて、分解した。
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1,000 を百の位、十の位、一の位にね。
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ではほかの例を見ていこう。
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これでもっとわかりやすくなると思う。
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くり下がりの仕組みがね。
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簡単な問題を解こう。
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多くの人がこんがらがりやすい問題から
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始めてみよう。
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まず、
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732
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引く …とても簡単なのにしよう。
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引く 23。
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この 3 がおもしろいことになる。
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さっきと同じようにやってみよう。700 足す
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30 足す 2 引く 20 引く 3。
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この 2 は 3 より小さい。だから引き算できないね。
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どこかからか 10 を持ってくるといい。
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ここから 10 を持ってこれるね。
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これを 20 にして、10 を 2 に足すんだ。そうすると
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ほら見て。700 足す 20 足す 12 は、732 のままだね。
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実際には全然変わっていないんだ。
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この数字をちょっと違う場所に
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置きかえただけだよ。
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よし、引き算の準備ができた。
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12 引く 3 は 9。
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20 引く 20 は 0、そして 700 を下に持ってくる。
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すると、700 足す 0 足す 9、つまり 709 だね。
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これがくり下がりの仕組みだ。
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つまり、3 から 1 を持ってくる。
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2 ができる。
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こちらは 12 になる。
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そこで引き算をする。
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9 0 7。
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別の問題を解こう。これで最後だよ。
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同じように、この方法でやる必要はないよ。
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引き算の問題を解くときに
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いつもこの方法でやる必要はないんだ。
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でももし分からなくなったら、この方法でやってみて。
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そうすれば間違わないし、何をやっているのか
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わかるからね。
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でもテストの時や、速く解く必要があるときは
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普通のやり方で解く方がいい。
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間違わずに解けるようになるには、
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たくさん練習をしなきゃいけないよ。
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それが問題だ。
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みんな、ルールを習って、ルールを忘れてしまうんだ。
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それでやり方も忘れる。
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やっている内容がわかれば、絶対に忘れたりしない。
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しっかりと頭に入ったということだからね。
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では次の問題。
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まず、512
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引く 38
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さっきと同じ方法でやってみよう。
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これは、500 足す 10 足す
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2 引く 30 引く 8 と同じだね。
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2 は 8 より小さい。
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どこかから 10 を持ってくる必要がある。
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ここでできるのは…
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ここから10 を持ってくることだね。
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すると 0 になる。
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こっちは 12 になる。
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でも 500 足す 0 足す 12 は、512 のままだね。
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これで引き算ができる。
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12 引く 8 は 4。
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でもこの 0 は 30 より小さい。これでは引き算できない。
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そこで 500 から持ってくる。
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必要なのは 100 だから、これを 100 にして
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500 から 100 を取る。
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ここは 400 になる。
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500 を 400 足す 100 に書きなおそう。
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これで引き算ができるね。
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100 引く 30 は 70。
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400 を下に持っていく。
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これはつまり、474 だ。
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それでは学校で習う方法では、
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2 は 8 より小さいから、1 を持ってくる。
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12 になるね。
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こっちは 0 だ。
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0 は 3 より小さいから、この 5 から 1 を持ってくる。
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ここが 4 になる。
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こっちは 10 だ。
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そうすると、12 引く 8 は 4。
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10 引く 3 は 7。4 を下ろそう。
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ここで紹介した方法が、くり下がりの仕組みを
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直感的に理解する助けになるとうれしい。
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僕自身がくり下がりを習ってからしばらくは
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よく分からなかったんだ。
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これを学んだら、やっていることは
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魔法なんかじゃないと気づくだろう。
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さらに、実際にやったことを忘れずに、
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くり下がりをするときに、数字に何が起こっているのかを
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根本的に理解することができるならうれしい。
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お役に立てたかな。
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次の授業で会おう。
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ではまた。