15,6,10 の最小公倍数は何でしょうか? 最小公倍数は 英語で短く書くと LCM (Least (最小の) Common (共通の,公の) Multiple (倍数))です, 最小公倍数(LCM)とはその言葉の示す通り, これらの数の倍数のなかで一番小さなものです. しかし最小公倍数とは何かと聞かれて,「最小の公倍数」では答えになっていませんね.問題を実際にやってみてどんなものか見てみましょう. そのために,15, 6, 10 の倍数をいくつか考えてみます. そしてそれから最小の倍数をみつけます. これらの数に共通する最小の倍数です. では,15 の倍数をみつけましょう.ここには... 1 かける 15 は 15,2 かける 15 は 30. それに 15 をたすと 45,15 をさらにたせば 60, 15 をたすと, 75, さらに 15 をたせば 90,15 をたすと 105. もしこれでもこちらの数と共通の倍数がない場合には, もっと先に行く必要があるでしょう. しかし,今はここまでにしておきます. 15 の倍数を 105 までみました.もちろんここからさらに続けていくことができます.6 の倍数をみてみましょう. 6 の倍数: 1 かける 6 は 6,2 かける 6 は 12, 3 かける 6 は 18,4 かける 6 は 24. 5 かける 6 は 30,6 かける 6 は 36,7 かける 6 は 42, 8 かける 6 は 48, 9 かける 6 は 54,10 かける 6 は 60.60 でもうよさそうですね.なぜなら 15 の倍数には 60 があります. しかしここに既に2つの共通の倍数はあります. 30 がここにあって,ここにも30があります.60 がここにあり,60がここにあります.最小公倍数は 15 と 6 についてだけ最小公倍数を考えれば, それは 30 です.これを途中経過として 書いておきましょう.15 と 6 の最小公倍数. ここにでている数の共通の最小の倍数. 15 かける 2 は 30 で 6 かける 5 は 30 です. つまりこれは確実に公倍数で,全ての公倍数のうちで 最小のものです. 60 はまた公倍数ですが,しかし大きいものです. これは最小公倍数です.それは 30 です. 10 についてはまだ考えていません.ですから 10 について考えましょう.もうどうなるかわかった人もいるでしょう. 10 の倍数を考えます.それは 10, 20, 30, 40... もう十分書きましたね.なぜならもう 30 があるからです. そして 30 は 15 と 6 の公倍数であり, 全部の中で最小の公倍数です. ですから 15, 6, 10 の LCM は 30 に等しいです. これは最小公倍数をみつける1つの方法です. 文字通り,それぞれの数の倍数をみていき, 共通のもので最小の倍数をみつけるという方法です. 他の方法としては,これらの数のそれぞれの 素因数分解をみていくものがあります. LCM, 最小公倍数はこれらの素因数の全ての要素を持ち, それ以上ではないものです. その意味がどういうものかをここでお見せしましょう.この方法ではまず,15 は 3 かける 5 と同じことです.これはこれだけですね.この素因数分解はこれです.15 は 3 かける 5です.3 と 5 は両方とも素数だからです. 6 は 2 かける 3 と同じことと言えます.これで終わりです.これがこの素因数分解です.なぜなら 2 と 3 は素数だからです. そして 10 は 2 かける 5 と同じことです.2 も 5 も両方とも素数です.これで素因数分解は終わりました. 15, 6, 10 の LCM は単にこれら素因数の全てを持つ必要があります. そして私がここで意味するのは...はっきりしておきましょう.LCMになるある数が15 で割り切れるには, 少なくとも3が1つ,5が1つその素因数分解に入っていなくてはいけません.つまり,その数には 1 つの 3 と 1 つの 5 が必要です. 3 かける 5 が素因数分解に入っている数は 15 で割り切れます. 6で割り切れる数には,2が1つ,3が1つなくてはいけません.ここでは2が1つ必要です.ここにはもう3 が1つありますので,これで必要なものは全部あります. ここでは 1つだけ 3 が必要です.ですから 1 つの 2 と 1 つの 3 になります.これが 2 かける 3 で,6 で割り切れる数ということを確かにします.ここにあるのが 15 です. そして 10 で割り切れるためには,少なくとも 1 つの 2 と 1 つの 5 が必要です.これらの2つがあることで,この数が 10 で確実に割り切れます. これで必要なものは全部ですね.この 2 かける 3 かける 5 という数は,10, 6, 15 の全部の素因数を持ちます.ですからこれが LCM です. これをかけ算すると,2 かける 3 は 6, 6 かける 5 は 30 です. どちらの方法でもかまいません.これらがあなたの考えと共振して,どうしてこれが筋が通るのかわかってもらえると嬉しいです. 2番目の方法が少し良い方法です.特に複雑な数,かけ算に時間がかかるような数で, 最小公倍数を求めようという場合には良いです. でも,どちらの方法でも最小公倍数を求める 正しい方法には違いありません.