1 00:00:00,960 --> 00:00:03,659 不思議なもので エンパワメントについての話をすると 2 00:00:03,659 --> 00:00:05,761 エンパワメントの議論そのものより 3 00:00:05,761 --> 00:00:08,967 一人一人の物語のほうが 胸に強く響きます 4 00:00:08,967 --> 00:00:12,179 ですから 私もありふれた体験談から はじめたいと思います 5 00:00:12,179 --> 00:00:16,702 インドで若い女性でいることは 一体どういうことでしょうか 6 00:00:16,702 --> 00:00:18,974 私は 今まで生きてきた27年間ずっと 7 00:00:18,974 --> 00:00:21,073 インドで過ごしてきました 3つの小さな街と 8 00:00:21,073 --> 00:00:22,889 2つの大都市に住んだことがあります 9 00:00:22,889 --> 00:00:26,118 様々なことを体験してきました 10 00:00:26,118 --> 00:00:27,974 私が7才の時のことです 11 00:00:27,974 --> 00:00:29,931 私に算数を教えに来ていた家庭教師が 12 00:00:29,931 --> 00:00:34,646 私にいたずらをしました 13 00:00:34,646 --> 00:00:37,363 彼は私のスカートの中に手を入れたのです 14 00:00:40,794 --> 00:00:43,970 彼はスカートの中に手を入れて こう言いました 15 00:00:43,970 --> 00:00:47,930 「気持ちよくさせてあげるよ」 16 00:00:47,930 --> 00:00:51,060 私が17才の時 同じ高校の男子学生が 17 00:00:51,060 --> 00:00:52,507 一通のメールをばらまきました 18 00:00:52,507 --> 00:00:54,940 そこには 彼が私にやりたい 性的行為が 19 00:00:54,940 --> 00:00:57,704 こと細かに記されていたのです 20 00:00:57,704 --> 00:01:01,789 私が彼を相手にしなかった腹いせでした 21 00:01:01,789 --> 00:01:05,500 19才の時 私は友人が 家庭内暴力から 22 00:01:05,500 --> 00:01:08,592 逃げる手伝いをしました 友人は両親が決めた年上の男性との 23 00:01:08,592 --> 00:01:12,259 結婚を強いられていました 24 00:01:12,259 --> 00:01:14,401 21才の時 私と友人が 道端を歩いていた 25 00:01:14,401 --> 00:01:18,734 ある昼下がりのこと 26 00:01:18,734 --> 00:01:20,273 一人の男性がズボンを下ろして 27 00:01:20,273 --> 00:01:23,483 目の前でマスターベーションをはじめました 28 00:01:23,483 --> 00:01:27,910 私たちが助けを求めても 誰も来てくれませんでした 29 00:01:27,910 --> 00:01:32,900 25才の時 私が夕方に帰宅する途中 30 00:01:32,900 --> 00:01:35,726 バイクに乗った二人組の男性が私を襲いました 31 00:01:35,726 --> 00:01:37,843 私は 2日間 入院して 32 00:01:37,843 --> 00:01:41,085 心と体の傷を治療しました 33 00:01:41,085 --> 00:01:46,305 私が今まで生きてきて 出会った女性たち— 34 00:01:46,305 --> 00:01:48,171 家族や友人や同僚は 35 00:01:48,171 --> 00:01:50,964 このような目に遭っていても 36 00:01:50,964 --> 00:01:54,137 それについて ほどんど話そうとしません 37 00:01:54,137 --> 00:01:58,777 インドで生きることは 容易ではないのです 38 00:01:58,777 --> 00:02:02,295 ですが 今日お話しするのは この恐怖についてではありません 39 00:02:02,295 --> 00:02:04,049 この恐怖から私が得た 興味深い 40 00:02:04,049 --> 00:02:08,426 学びの過程についてお話ししようと思います 41 00:02:08,426 --> 00:02:11,930 2012年12月のある夜の出来事は 42 00:02:11,930 --> 00:02:13,704 私の人生を変えました 43 00:02:13,704 --> 00:02:17,000 23才の若い女子学生が 44 00:02:17,000 --> 00:02:21,904 男友達と一緒に デリーでバスに乗りました 45 00:02:21,904 --> 00:02:24,513 バスには6人の男性がいました 46 00:02:24,513 --> 00:02:27,591 インドのどこにでもいるような 若い男性達です 47 00:02:27,591 --> 00:02:29,923 この後に続く衝撃的な出来事は 48 00:02:29,923 --> 00:02:31,667 インド国内だけでなく 49 00:02:31,667 --> 00:02:34,491 世界中のメディアで 繰り返し報道されました 50 00:02:34,491 --> 00:02:37,765 その女性は繰り返しレイプされ 51 00:02:37,765 --> 00:02:40,745 鈍器をむりやり体内に突っ込まれ 52 00:02:40,745 --> 00:02:43,996 殴られ 噛みつかれたあげく 置き去りにされました 53 00:02:43,996 --> 00:02:46,000 彼女の男友達は口をふさがれて暴行され 54 00:02:46,000 --> 00:02:49,577 気を失うまで殴られました 55 00:02:49,577 --> 00:02:53,761 彼女は12月29日に亡くなりました 56 00:02:53,761 --> 00:02:55,739 ここにいるほとんどの人達が 57 00:02:55,739 --> 00:02:58,242 新年を祝う準備をしていた時です 58 00:02:58,242 --> 00:03:01,479 インドは暗黒の時期に突入しました 59 00:03:01,479 --> 00:03:04,645 国の歴史において初めて 60 00:03:04,645 --> 00:03:06,823 インドの都市にいる男性も女性も 61 00:03:06,823 --> 00:03:09,014 恐ろしい事実に気がついたのです 62 00:03:09,014 --> 00:03:12,536 この国の女性が置かれている状況についてです 63 00:03:12,536 --> 00:03:14,955 さて 他の大勢の若い女性と同様に 64 00:03:14,955 --> 00:03:17,149 私も恐怖におびえていました 65 00:03:17,149 --> 00:03:18,416 このようなことが 66 00:03:18,416 --> 00:03:21,591 首都で起こるなんて 信じられませんでした 67 00:03:21,591 --> 00:03:24,144 私はやり場の無い怒りを覚えましたが 68 00:03:24,144 --> 00:03:28,247 なにより無力感に打ちのめされていました 69 00:03:28,247 --> 00:03:30,388 でも本当に 何ができるのでしょう? 70 00:03:30,388 --> 00:03:32,413 ブログを書く人もいれば 事件を無視する人もいます 71 00:03:32,413 --> 00:03:34,145 抗議デモに参加する人もいます 72 00:03:34,145 --> 00:03:36,710 私も全てやりました 実際 これらは2年前に皆が 73 00:03:36,710 --> 00:03:38,388 やっていたことです 74 00:03:38,388 --> 00:03:41,367 メディアは インドの男性が犯しうる 75 00:03:41,367 --> 00:03:43,133 恐ろしい所業で 76 00:03:43,133 --> 00:03:45,237 埋め尽くされました 77 00:03:45,237 --> 00:03:46,472 彼らを獣に例えて 78 00:03:46,472 --> 00:03:48,659 性に飢えた野獣だと言われました 79 00:03:48,659 --> 00:03:52,663 実は インドの常識では あまりに奇想で思いもよらない 80 00:03:52,663 --> 00:03:53,977 事件だったので 81 00:03:53,977 --> 00:03:56,393 インドのメディアや大衆 政治家の反応から 82 00:03:56,393 --> 00:04:00,300 たどり着いたのは こうでした 83 00:04:00,300 --> 00:04:02,179 誰もどうしたら良いか分からない 84 00:04:02,179 --> 00:04:04,776 そして誰も責任を取りたくないのです 85 00:04:04,776 --> 00:04:07,260 無神経なコメントも いくつかありました 86 00:04:07,260 --> 00:04:08,441 これらがメディアを通じて 87 00:04:08,441 --> 00:04:10,468 著名人たちが出したコメントです 88 00:04:10,468 --> 00:04:14,624 女性への性暴力に対する 一般的な反応です 89 00:04:14,624 --> 00:04:17,826 まず一番上のコメントは国会議員 [女性のレイプなら分かるが 子供への虐待は許し難い] 90 00:04:17,826 --> 00:04:21,219 二番目は宗教指導者 [被害者の女性は犯人の 兄弟に電話すべきだった] 91 00:04:21,219 --> 00:04:23,930 三番目は なんと被告の弁護士によるものです [デリーのレイプ被害者に非がある] 92 00:04:23,930 --> 00:04:25,776 それも被害者の女性が 懸命に死と闘って 93 00:04:25,776 --> 00:04:28,630 亡くなった時のことです 94 00:04:28,630 --> 00:04:32,483 さて この状況を 来る日も来る日も見ていた私は 95 00:04:32,483 --> 00:04:34,283 うんざりしてしまいました 96 00:04:34,283 --> 00:04:35,927 私はライターとして ジェンダー活動家として 97 00:04:35,927 --> 00:04:39,176 女性について幅広く書いてきました 98 00:04:39,176 --> 00:04:41,822 けれども今回は 何かが違うと気付きました 99 00:04:41,822 --> 00:04:43,403 被害に遭った若い女性は 100 00:04:43,403 --> 00:04:45,751 私だったかもしれないのです 101 00:04:45,751 --> 00:04:47,929 それから私はこの状況を変えようと決め 102 00:04:47,929 --> 00:04:51,960 衝動的に すぐさま行動を起こしました 103 00:04:51,960 --> 00:04:54,506 iReportという市民ジャーナリストの プラットフォームに 104 00:04:54,506 --> 00:04:55,962 ログオンしました 105 00:04:55,962 --> 00:04:58,713 そして ある動画を作成したのです 106 00:04:58,713 --> 00:05:00,693 バンガロールがどんな場所か 107 00:05:00,693 --> 00:05:02,380 私がどう感じたか 108 00:05:02,380 --> 00:05:03,722 現地の実情について語り 109 00:05:03,722 --> 00:05:09,227 インドで生きることの難しさについて話しました 110 00:05:09,227 --> 00:05:12,845 数時間後には ブログは広く拡散されていました 111 00:05:12,845 --> 00:05:14,680 そして沢山のコメントやアイデアが 112 00:05:14,680 --> 00:05:16,340 世界中から集まってきました 113 00:05:16,340 --> 00:05:20,015 その瞬間 いくつか閃くものがありました 114 00:05:20,015 --> 00:05:23,743 一つ目は 私のような若い女性でも テクノロジーを 115 00:05:23,743 --> 00:05:26,960 身近に使えるということ 116 00:05:26,960 --> 00:05:30,504 二つ目は 若い女性のほとんどが 117 00:05:30,504 --> 00:05:33,925 それを使って自分の考えを述べることは めったにないということ 118 00:05:33,925 --> 00:05:37,849 三つ目は この時初めて 119 00:05:37,849 --> 00:05:40,707 自分が声を上げることが 大事なんだと気付きました 120 00:05:40,707 --> 00:05:43,440 そこで それから数ヶ月間 121 00:05:43,440 --> 00:05:45,487 私はバンガロールでの活動を いくつか取材しました 122 00:05:45,487 --> 00:05:49,469 主要なニュースでは 取り上げられないものばかりです 123 00:05:49,469 --> 00:05:52,240 バンガロール市内にある カボンパークという大きな公園で 124 00:05:52,240 --> 00:05:53,840 100名を超える人達を集めました 125 00:05:53,840 --> 00:05:55,749 若い男性グループに スカートをはいてもらい 126 00:05:55,749 --> 00:05:57,561 レイプを誘発するのは 服装ではないと 127 00:05:57,561 --> 00:06:01,241 証明するためでした 128 00:06:01,241 --> 00:06:03,075 このような活動について報告した時 129 00:06:03,075 --> 00:06:06,168 自分に力を感じました 私には伝達手段があって 130 00:06:06,168 --> 00:06:10,337 自分の内なる感情を 解き放つことができたのです 131 00:06:10,337 --> 00:06:12,409 役所のデモ行進にも参加しました 132 00:06:12,409 --> 00:06:14,343 学生たちが掲げるプラカードには 133 00:06:14,343 --> 00:06:16,872 「やつらを殺せ やつらを吊るせ」 134 00:06:16,872 --> 00:06:20,699 「自分の母親や姉妹にも同じことができるのか」 と書かれていました 135 00:06:20,699 --> 00:06:22,177 キャンドルライトの集会にも参加しました 136 00:06:22,177 --> 00:06:24,280 市民が集まって 137 00:06:24,280 --> 00:06:28,237 性暴力の問題について率直に語り合いました 138 00:06:28,237 --> 00:06:30,277 当時の インドの状況が 139 00:06:30,277 --> 00:06:32,980 どんなに憂慮すべきものであるかを踏まえて 140 00:06:32,980 --> 00:06:34,249 沢山のブログを書きました 141 00:06:34,249 --> 00:06:35,898 [大都市と外国に住んでいる姉妹と従姉妹がいますが あなたが訴えるような苦境など聞いたことがありません] 142 00:06:35,898 --> 00:06:37,357 このような反応には 困ってしまいました 143 00:06:37,357 --> 00:06:40,227 世界中から支持してくれる コメントが寄せられましたが 144 00:06:40,227 --> 00:06:42,241 悪意のあるコメントもまた然りでした 145 00:06:42,241 --> 00:06:43,675 私を偽善者と呼ぶ人もいました 146 00:06:43,675 --> 00:06:46,438 被害者と呼んだり レイプ擁護者と呼ぶ人もいました 147 00:06:46,438 --> 00:06:49,403 私が政治的な野心を持っていると言う人すらいました 148 00:06:49,403 --> 00:06:51,523 でも 先ほどのコメントが 今ここで議論していることを 149 00:06:51,523 --> 00:06:56,330 ある程度 象徴しているでしょう 150 00:06:56,330 --> 00:06:59,440 しかし これが全てではないということは すぐ分かりました 151 00:06:59,440 --> 00:07:01,429 社会的な力がついたのも 152 00:07:01,429 --> 00:07:02,879 市民ジャーナリズムで手にした 153 00:07:02,879 --> 00:07:05,236 新しい自由のおかげでしたが 154 00:07:05,236 --> 00:07:08,570 私は慣れない環境に身を置いていました 155 00:07:08,570 --> 00:07:11,737 昨年の8月 私はフェイスブックにログインして 156 00:07:11,737 --> 00:07:13,140 ニュースフィードをながめていて 157 00:07:13,140 --> 00:07:15,183 あるリンクに気がつきました 158 00:07:15,183 --> 00:07:16,856 私の友人がシェアしたものでした 159 00:07:16,856 --> 00:07:19,039 そのリンクをクリックすると 160 00:07:19,039 --> 00:07:23,114 ミカエラ・クロスという アメリカ人女性がアップした記事に 161 00:07:23,114 --> 00:07:25,322 たどり着きました 162 00:07:25,322 --> 00:07:26,710 記事のタイトルは 163 00:07:26,710 --> 00:07:29,951 「インドの耳をふさぎたくなる話」でした 164 00:07:29,951 --> 00:07:33,096 記事の中で 彼女は自分が実際に直面した 165 00:07:33,096 --> 00:07:36,796 インドでのセクハラを詳細に語っていました 166 00:07:36,796 --> 00:07:40,763 その記事には 「視線を避けることはできません 167 00:07:40,763 --> 00:07:42,850 視線は常に追いかけてきて 168 00:07:42,850 --> 00:07:45,574 私の体を舐めるように見ていました 169 00:07:45,574 --> 00:07:47,424 無表情のままで 170 00:07:47,424 --> 00:07:50,072 私と目が合っても合わなくてもお構いなしです 171 00:07:50,072 --> 00:07:53,210 私が果物屋や仕立屋に向かって歩いていると 172 00:07:53,210 --> 00:07:55,309 じろじろ見られるのです 173 00:07:55,309 --> 00:07:58,746 まるで私をバラバラに切り刻むような視線でした」 174 00:07:58,746 --> 00:08:02,640 ミカエラはインドを旅行者の天国 女性にとっては地獄だと言いました 175 00:08:02,640 --> 00:08:04,656 彼女は付きまとわれ 痴漢に遭い マスターベーションのネタにされたのです 176 00:08:04,656 --> 00:08:06,253 彼女は付きまとわれ 痴漢に遭い マスターベーションのネタにされたのです 177 00:08:06,253 --> 00:08:08,692 さて その夜遅く 記事が広まりました 178 00:08:08,692 --> 00:08:12,304 世界中のニュースで紹介されたのです 179 00:08:12,304 --> 00:08:13,910 たくさんの人が議論をしていました 180 00:08:13,910 --> 00:08:15,018 閲覧数は100万を超え 181 00:08:15,018 --> 00:08:16,923 コメントとシェアは千件にものぼりました 182 00:08:16,923 --> 00:08:18,837 私に起こった同様のことが 183 00:08:18,837 --> 00:08:21,401 繰り広げられていました 184 00:08:21,401 --> 00:08:24,097 メディアは 世論を暴走させて 何の解決策も生み出さない 185 00:08:24,097 --> 00:08:26,395 たちの悪いサイクルから 186 00:08:26,395 --> 00:08:29,700 抜け出せませんでした 187 00:08:29,700 --> 00:08:32,105 そんなわけで その夜 私は考え込んでしまいました 188 00:08:32,105 --> 00:08:33,437 とう対応すればよいのだろうと 189 00:08:33,437 --> 00:08:35,847 釈然としない思いでいっぱいでした 190 00:08:35,847 --> 00:08:39,207 ライターである私は オブザーバーとして この問題に 191 00:08:39,207 --> 00:08:41,586 取り組んできました 192 00:08:41,586 --> 00:08:45,964 インド人としては 恥ずかしさと信じたくない気持ちがあり 193 00:08:45,964 --> 00:08:50,443 活動家としては 人権擁護の観点で 見つめました 194 00:08:50,443 --> 00:08:52,578 けれど市民ジャーナリストとしての私は 195 00:08:52,578 --> 00:08:55,852 非常に脆いものを感じたのです 196 00:08:55,852 --> 00:08:58,183 つまり 若い女性がいて 197 00:08:58,183 --> 00:08:59,583 私がやったように ある伝達手段を利用して 198 00:08:59,583 --> 00:09:01,721 体験談を語りました 199 00:09:01,731 --> 00:09:04,545 けれど 何も解決していないのです 200 00:09:04,545 --> 00:09:06,467 誰も教えてくれないことは 201 00:09:06,467 --> 00:09:09,407 真のエンパワメントとは 自分自身で考え行動することで 202 00:09:09,407 --> 00:09:11,783 初めて生まれるということです 203 00:09:11,783 --> 00:09:14,245 エンパワメントという言葉は しばしば 204 00:09:14,245 --> 00:09:17,442 理想的で 素晴らしい成果のように響きます 205 00:09:17,442 --> 00:09:19,274 私たちがエンパワメントについて語る時 206 00:09:19,274 --> 00:09:22,559 私たちが議論するのは 人々が物やツールを 207 00:09:22,559 --> 00:09:25,295 自由に利用できるようになるかということです 208 00:09:25,295 --> 00:09:27,744 けれど真のエンパワメントとは 心の在り方で 209 00:09:27,744 --> 00:09:29,206 感情なのです 210 00:09:29,206 --> 00:09:31,938 エンパワメントへの第一歩は 211 00:09:31,938 --> 00:09:34,818 自分自身に力を持つこと— 212 00:09:34,818 --> 00:09:36,793 独立した意思を持つための鍵で 213 00:09:36,793 --> 00:09:38,393 誰であっても 出身がどこであれ 214 00:09:38,393 --> 00:09:40,941 全ての女性に与えられるべきもので 215 00:09:40,941 --> 00:09:44,261 これが一番難しいことなのです 216 00:09:44,261 --> 00:09:46,870 私たちは自分自身の声に怯えています 217 00:09:46,870 --> 00:09:49,656 現実を認めることになるからです でもこれこそが 218 00:09:49,656 --> 00:09:52,740 私たちに現状を変える力を与えてくれるのです 219 00:09:52,740 --> 00:09:54,581 さて 様々な現実を 220 00:09:54,581 --> 00:09:57,267 目の当たりにする中で この状況に対して 221 00:09:57,267 --> 00:09:58,753 どう判断すべきか悩みました 222 00:09:58,753 --> 00:10:01,838 自分にとってどんな意義があるか 分からなかったからです 223 00:10:01,838 --> 00:10:04,843 判断するのを恐れたのは この女性の意見を擁護しなかったら 224 00:10:04,843 --> 00:10:08,124 どうなるか分からなかったからです 225 00:10:08,124 --> 00:10:09,490 もし私が 誰かの真実に反論したら 226 00:10:09,490 --> 00:10:14,370 それが何をもたらすのか 分からなかったからです 227 00:10:14,370 --> 00:10:15,863 でも 答えは簡単でした 228 00:10:15,863 --> 00:10:17,312 決断を下すべきは 229 00:10:17,312 --> 00:10:20,502 声を上げるべきか 沈黙を守るべきかでした 230 00:10:20,502 --> 00:10:22,786 そうして考えに考えた末に 231 00:10:22,786 --> 00:10:25,282 私は動画ブログを撮影して レスとして 232 00:10:25,282 --> 00:10:27,252 ミカエラに伝えました 233 00:10:27,252 --> 00:10:29,955 インドには違う側面もあるということ 234 00:10:29,955 --> 00:10:35,364 そして 状況は改善していくだろうということも 235 00:10:35,364 --> 00:10:37,425 わかってもらえるように説明し 236 00:10:37,425 --> 00:10:40,091 彼女に起こったことを とても残念に思っていると伝えました 237 00:10:40,091 --> 00:10:42,692 数日後 私は生放送に招かれ 彼女と話す機会に 238 00:10:42,692 --> 00:10:44,061 恵まれました 239 00:10:44,061 --> 00:10:48,181 この時初めて 今まで会ったこともない 240 00:10:48,181 --> 00:10:50,982 とても遠くにいるけれど とても親近感を覚える この女性と 241 00:10:50,982 --> 00:10:53,820 気持ちを通わせました 242 00:10:53,820 --> 00:10:56,350 この記事が表にでてから 243 00:10:56,350 --> 00:10:58,655 今までよりもっと多くの若い人々が 244 00:10:58,655 --> 00:11:02,006 キャンパスでのセクハラについて議論しはじめました 245 00:11:02,006 --> 00:11:04,797 そしてミカエラが通っている大学では 246 00:11:04,797 --> 00:11:08,645 彼女に必要な支援を提供したのです 247 00:11:08,645 --> 00:11:10,990 大学はさらに対応策を講じて 248 00:11:10,990 --> 00:11:13,049 学生が迷惑行為のような問題に 249 00:11:13,049 --> 00:11:14,685 対処するのに必要な技を 250 00:11:14,685 --> 00:11:18,155 身につけられるようにしました 251 00:11:18,155 --> 00:11:22,448 この時 私は初めて一人ではないと感じました 252 00:11:22,448 --> 00:11:24,534 市民ジャーナリストとしての 253 00:11:24,534 --> 00:11:27,169 過去数年間の活動で 254 00:11:27,169 --> 00:11:30,252 私が学んだことがあるとすれば 255 00:11:30,252 --> 00:11:34,225 私たちの声を伝える手段を 積極的に見つけようという姿勢が 256 00:11:34,225 --> 00:11:37,222 社会には悲劇的に欠けているということです 257 00:11:37,222 --> 00:11:41,526 私たちが気づいていないのは 私たちが立ち上がろうとする時 258 00:11:41,526 --> 00:11:43,368 私たちは個人としてではなく 259 00:11:43,368 --> 00:11:46,605 コミュニティーや 友人や仲間のために 260 00:11:46,605 --> 00:11:48,464 立ち上がっているのです 261 00:11:48,464 --> 00:11:51,837 女性の権利が認められていないと 多くの人が言いますが 262 00:11:51,837 --> 00:11:54,213 本当は— 大抵の場合 263 00:11:54,213 --> 00:11:57,613 女性自身が自分の権利を認めていないのです 264 00:11:57,613 --> 00:12:00,250 インドでの最近の調査では 265 00:12:00,250 --> 00:12:04,781 IT企業や航空会社 サービス業 266 00:12:04,781 --> 00:12:08,197 コールセンターなどに勤める女性の95%が 267 00:12:08,197 --> 00:12:10,764 就業後の夜遅い時間に 268 00:12:10,764 --> 00:12:14,150 一人で帰宅することが不安だと言っています 269 00:12:14,150 --> 00:12:15,551 私の暮らすバンガロールでも 270 00:12:15,551 --> 00:12:18,017 この数は85%にのぼります 271 00:12:18,017 --> 00:12:20,563 インドの農村地帯の状況は 272 00:12:20,563 --> 00:12:23,720 最近起きた 事件によるものでしょう 273 00:12:23,720 --> 00:12:26,287 バダウンのギャングレイプ事件や オリッサ州とアリーガルの 274 00:12:26,287 --> 00:12:28,308 顔に酸をかける アシッド・アタックです 275 00:12:28,308 --> 00:12:31,885 私たちはすぐにでも 行動を起こさなくてはいけません 276 00:12:31,885 --> 00:12:33,578 誤解しないでいただきたいのは 277 00:12:33,578 --> 00:12:36,285 自分たちの体験を話すことは 278 00:12:36,285 --> 00:12:39,077 女性にとって大きな苦痛を伴いますが 279 00:12:39,077 --> 00:12:41,782 自分たちの体制に参画できるような 280 00:12:41,782 --> 00:12:44,269 メディアを探して 見つけ出すところから 281 00:12:44,269 --> 00:12:45,760 始める必要があります 282 00:12:45,760 --> 00:12:50,124 メディアを闇雲に追いかけるだけではいけません 283 00:12:50,124 --> 00:12:53,122 今や これまでにないくらい多くの女性が 284 00:12:53,122 --> 00:12:54,767 立ちあがり インド政府に 285 00:12:54,767 --> 00:12:56,146 疑問を投げかけています 286 00:12:56,146 --> 00:12:59,169 彼女たちの勇気のおかげで 287 00:12:59,169 --> 00:13:02,222 女性からの迷惑行為の報告は 288 00:13:02,222 --> 00:13:03,784 以前の6倍になりました 289 00:13:03,784 --> 00:13:05,173 そして政府は2013年に 290 00:13:05,173 --> 00:13:08,149 女性を性暴力から守る 291 00:13:08,149 --> 00:13:11,968 刑法の改正案を可決しました 292 00:13:11,968 --> 00:13:13,920 この講演を締めくくるにあたり 293 00:13:13,920 --> 00:13:16,040 これだけは言わせてください 294 00:13:16,040 --> 00:13:21,620 この会場にも秘密を抱えている人が たくさんいるはずです 295 00:13:21,620 --> 00:13:23,572 でも 共に声を上げましょう 296 00:13:23,572 --> 00:13:26,241 一緒に羞恥と闘い それについて話しましょう 297 00:13:26,241 --> 00:13:29,761 プラットフォームやコミュニティー あなたが愛する人 298 00:13:29,761 --> 00:13:33,648 誰を選んでも 何を選んでも構いません 299 00:13:33,648 --> 00:13:35,740 でも 声を上げましょう 300 00:13:35,740 --> 00:13:38,800 この問題の終結は まさに 301 00:13:38,800 --> 00:13:40,542 私たちの行動から始まるのです 302 00:13:40,542 --> 00:13:42,187 ありがとうございました 303 00:13:42,187 --> 00:13:45,748 (拍手)